こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。
オリンピック開幕まであと数日ですが、小山田圭吾氏の騒動がいまネットを賑わせています。
昨日、本人が辞任を申し出たそうです。
この騒動を簡単に説明すると、今回のオリンピックの作曲を担当する小山田圭吾氏の同級生に対するいじめを語る昔のインタビュー記事が拡散されたことに発端します。
そのいじめの内容があまりにひどいもので、ネットでは当然のように大批判が巻き起こりました。
確かに昔の話なんだし大目にみようよ、という意見も出にくいレベルの内容でした。
個人的には小山田圭吾氏をどうしろという感情はなかったのですが、二点思ったことがありました。
一点目は、「めいろま」さんのこの一連のツイートで自分的に腑に落ちた、あのインタビュー記事が出たあたりの時代のなんとも言えない空気感のことです。
小山田圭吾の件をああいう時代だという話があるが、当時若かった自分は実際体験してるが、確かにそう言う空気感はあった。テレビは虐待まがいなイジメコンテンツだらけだった。ただしBurrn!やミュージックライフには虐待をネタにする話は「一切」載らなかった。サブカル界隈や渋谷系は特に鬼畜だった
— めいろま (@May_Roma) July 18, 2021
夕やけニャンニャン、とんねるずに象徴される、ロスジェネど真ん中の僕から見るとすこし上の世代が大学生くらいだったくらいの時代です。
めいろまさんが言っているのは、1985-1995年くらいを指しているので、まさにバブル景気〜バブル崩壊の時代がすっぽり入るくらいの期間でしょうか。
ちなみに例の小山田圭吾氏のインタビュー記事が1995年です。
バブル景気の時代、バブルを謳歌していたのはやはり社会人だと思うのですが、その時代に夕やけニャンニャンを見ていた大学生くらい世代の、なんとも言えない空気感って、今でも感じちゃうんですよね。われわれロスジェネとは、ちょっと違うと思います。
今回の話、バブルじゃないけど、完全にロスジェネでもない世代、が青春を過ごした空気、それが今叩かれているんだな、と思ったんですね。失われた30年の入り口あたりで、生産的で真面目な人たちを面白おかしくいじめるの自体がカッコいいともてはやされた時代が確実にあって、まぁそれは暗い時代に入っていくのを感じ取って刹那的な発想になった結果とも言えるのかもないけど、それが30年近くたって今また日本を苦しめている、という構図自体に、とてもいろいろ考えさせられました。
このあたりは、本当に時代の空気の理解みたいなものが必要なので、全く何を言っているのかわからない人には分からないかもしれません。
あともう一点。
この騒動は、ある意味ポリコレの話だとも言えることなのかもしれませんが、ともかく子供の時代の話であっても「いじめ」をやっていた証拠が残れば、一生を本当に棒にふる可能性があるんだということを、しっかり自分の子供にも教えないといけないな、と思ったことです。
「いじめ行為をして記録されたら、一生を棒に振る可能性がある」いじめってどんな人も被害者になる可能性が結構高くて処罰をすり抜けやすい犯罪だから、あとからいくら反省しますと述べたって(社会的に)許してもらえない。小山田圭吾氏の話はこれを明確にしたな。
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) July 19, 2021
ポリコレいい悪い、ではなく、実際問題いまやSNSやネットが力を持っている以上、「いじめ」みたいな言い訳のできない社会悪みたいな行動は、明確に犯罪として警察に捕まらないから逆にどこまでも自分の首を締め続ける可能性があります。
これは自分の武器にもなりますが逆に自分が追い詰められる可能性もあり、とにかくしっかりそういうことを理解しておく必要があると思います。
戦争に負けて、高度成長期を経て、「バブル」時代、そのあとの失われた30年、今もまだ日本はその延長線上にいるんだな、とよく感じることがあります。小山田圭吾氏が特別極悪人で許せん、というより、今の時点で世界に向けて恥ずかしくないレベルの音楽人を選抜した時に、そういう少し歪んだ時代に才能の筋肉を付けた人物がどうしても入らざるを得なかった、という日本の辛さも感じます。いや、もしかしたらそんな変な経歴のある人物をわざわざ、変化球のつもりかもしれないが入れてしまった側のセンスが悪すぎたのかもしれません。そのあたりの評価は人に依るのでしょう。
トヨタも五輪と少し距離をとる姿勢を示したそうです。世界で戦う企業として、メインの潮流であるESGの考え方に順張りをするなら、当然の結論でしょう。
ただ、企業は企業、ポリコレはポリコレとして、やはりオリンピックはストイックに限界まで人間の能力の限界に挑戦するスポーツ選手達の、嘘偽りの無いアートを見られる機会です。
こういう話はこういう話として、開幕したらしっかりと観戦を楽しみたいと個人的には思っています。