こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。
先日ちらっとツイッターで麻酔科人気がおちてきている、というツイートを見かけました。
そうなのか https://t.co/xIWsyL91no
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) July 19, 2021
若い先生と話す機会がとても減ったので、こういうのをネットでみると少し参考になっちゃいますよね。
で、思ったことです↓
アルバイトの麻酔科医なんて、やってみたら分かるけど慣れてない病院だと医者としてはゴミみたいな扱いですよね。医者としての矜持を捨て去り普通に思ったこと言えないストレスに耐え続け、多少良い給料もらっても半分税金に持っていかれる、それを何年も続けられるかってことですよ。
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) July 20, 2021
フリー麻酔科医なんて、相当なメンタルの人しか続かないんじゃないでしょうか。初見のアルバイト先に何度か行っただけで、僕なんてそう感じました。あんな気持ちで働いて、多少給料が多くても半分税金かと思ったら、やってられないんじゃないかな。
以前から僕は「今進路を選ぶなら、麻酔科はやめておけ」と何度も言っているのですが、麻酔科って今でも人気あるんですね。どこでも、というわけではないでしょうが。
麻酔科は「フリー麻酔科医は儲かる」という話が一時期広まって、麻酔科って儲かるってまだ信じている人がかなりいますよね。
はっきりいって、儲かりませんよ。
フリーじゃないとすれば、勤務医。
基本的には勤務医というのは、給料同じです。この大前提は忘れてはいけません。
時間外やらの多少はもちろんありますが、まぁちゃんとした病院だったらどの診療科も忙しいですしね。働き方改革で、今後は時間外分の給料はどんどん平坦化していくでしょう。
病院によっては、医者と個別契約で、給料が高い医者がいたりします。しかし、こういう形も今後は先細りだろうと思います。病院の統合がどんどん行われるからです。
僕の読みでは医療機関はどんどん統合させられて、社会主義化していくでしょう。給料は全員等しく下がっていく。そうなるまでに逃げ切ってやろう、というのが今の目鼻のきく医者のメインストリームだと思われます。
ともかく今から医者になる、診療科を選ぶ、くらいの年代の人が仕事で儲けてFIREというのは、なかなか難しくなっていくような気がします。
麻酔科なんて、とくに「開業」が学会および日本の医学界全体から否定されている(麻酔科フリーランスつぶし)ので麻酔科を選んだらお金持ちにはなりにくいです。中からみると当たり前すぎる結論なんですが、どうも外からみるとわかりにくいようですね。まぁ勤務医やってる限り、他の科も同じでしょうが。
だったらお金儲けをしたい人にとって、医者になるなんてお先真っ暗か?というとそうでもないと思います。先行きがだいたい分かるのだから、今からしっかり倹約して積立投資、なんなら副業の勉強しておいたらいいので、我々みたいに途中でいきなり医療のエコシステムが瓦解した(少なくとも僕からみるとそう感じます)世代よりは対応しやすいんじゃないでしょうか。
まぁこれからどうなるか、実際に100%分かるわけではないですが。
考え方を変えてみて、お金というものより仕事での充実こそ代えがたい価値のあるものだ、と思ってみるのはどうでしょう。何度も言うように、どの科に行ったって、儲からないんですから。
これは実際十分な資産をもってFIREしたような人がみな口をそろえて言うことですが、お金より、自分がやっていて本当に楽しいこと、人の役に立って感謝されること、他人からすごい人だと思われること、それこそが自分の幸せにつながっていきます。
まぁ僕はFIREできるような資産持ってないのでよく分からないですが、少し分かるような気もします。
麻酔診療はそれ自体他の科にない役割立ち位置面白さがあるので、それが純粋に好きかどうかでやはり決めるべきでしょう。個人的には、誰かに褒められなくたって人間の体の生理学的なの面白さを自分なりに深く考えて追求できるような性格の人に向いていると思います。
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) July 20, 2021
当たり前過ぎてつまらないですが、麻酔科を選ぶなら麻酔が面白いと本当に思えるかどうか、今むしろそういうことが大事になってきてるんじゃないかと思います。麻酔科は麻酔だけじゃなくてペインや集中治療の分野に進むこともできるので、今でもそういう意味では十分魅力的な科ではないかと思わないでもありません。
コロナの時代においては、どちらかというと順張りの診療科ですしね。