ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

ゆるふわ女医とフリーランス麻酔科医の共通点

こんにちは、コッカーマリンです。

 

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 ゆるふわ女医フリーランス麻酔科医

麻酔科の世界での働き方のもうキーワードみたいになっているこの2つですが、共通点があると思うんですよね。

 

それは一つは、

どちらも既存の医療業界の仕組みが存続することから利益を得ている

という点です。

 

トレーニングを受けた後の麻酔科医というのは、厳しい症例の麻酔をいろいろ計画したり、外科の先生からの相談に乗ったり、若手の教育を行ったり、研修医を麻酔科に誘ったり、論文書いたり臨床研究したり、学会発表したり、医局の仕事をやらされたり、まぁそんな感じで日々過ごすものです。

まぁ大変ですよ。

 

でもそうやってる人がいるからこそ麻酔科も一つの診療科として成り立って、麻酔科医のやる麻酔というのがやっぱりある程度は社会的な信頼を得ていると思うんですよね。

麻酔科医だって他の科の医者と同じように収入を増やしたいので、バイト行ったりすることあるんですが、その点は他の科も全く同じ。

 

ゆるふわもフリーランスも、そうやって構築されてきた麻酔科診療の枠組みがしっかりしているからこそ需給の差を利用して儲けられるわけです。

 

ゆるふわはそういうちゃんとした先生達の中に埋もれていて、なにか(子育てとか)理由をつけてキツイ仕事から逃げる。

これは断定してもいいですが、90%くらいは「できない」じゃなくて「逃げてる」ですからね。

子供の世話が.....みたいなのは実はほとんど言い訳です。

 

フリーランスは麻酔をかけることのリスクは引き受けているかもしれませんが、「麻酔科専門の先生が麻酔してくれたら安心だ」という前提があるからこそ医療機関は高い給料払ってもフリーランスの麻酔科医に麻酔をかけてもらうわけで、その信頼ってこれまでの麻酔科医たちが一生懸命築いてきたものなわけです。

忘れてはいけません。

 

フリーランスがいるからこそ地域医療に貢献できる、みたいな主張ありますけど、フリーランスになるような合理的なものの考えかた出来る人がですよ、本当に麻酔科医が常勤でいないような病院でオペをやっていくのがいいのかどうか、わからないわけありません。そんな病院はつぶすべきで、実際厚生省もそうやろうとしていますよ。

 

ゆるふわもフリーランスも麻酔科医たちが築いてきた信頼にタダ乗りしているんですよね。

フリーランスの先生達もそれが分かっているからこそ、学会がフリーランスを排除する動きをみせたとしても別に結託して正式に抗議なんてことしないわけです。

せいぜいSNSで学会をバカにするくらいで、今のうちに稼いで逃げ切ってやろうと思っている人がほとんどでしょう。

 

ゆるふわとフリーランスに共通していることのもう一つは、部分最適に徹しているということですよね。

要するに自分のことだけ考えているということです。

合法的に給料を得ていて、そこに需給がマッチしているのならそれでいいじゃないか、とそれぞれ考えているように見えます。

 

術前も術後もやらない麻酔科医ばっかりいたら麻酔科だめじゃないか、とか分かっててもまぁ報酬に入ってないしやりません。

当直明けのひと残して17時で帰るけど、教授がこれでいいって言ってくれてるんだからこれでいいんですよー、みたいな。

 

ゆるふわもフリーランスも麻酔科医全員が自分たちみたいになったら成り立たないんですけどね。

フリーランスとかゆるふわを選ぶ、ということはすなわち

自分だけのこと考えて何が悪いんですか?

といっているのと同義です。 

 

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別にフリーランスとかゆるふわがダメだ、ということを今言いたいわけではありません。

 

自分のことだけ考えてなにが悪いのか?

それって結構究極のテーマな気がしていて、このエントリーではその是非までは語れません。

自分は麻酔科の先人たちの肩の上に乗っているのは確かですし、

しかし自分の人生を真剣に考えてくれる人は結局自分しかいません

医局の先輩とか教授とかみてると結局自分のことしか考えてないですしね。

 

そういうことを考えるときに、「医者のプロフェッショナリズム」みたいな考え方面白い。

結局は自分がどう生きたいか、それだけな気もしますけどね。