こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。
最近ツイッターでは電動キックボードの規制緩和の話題がよく出てきて、見る限りでは概ね反対意見が多いようです。
確かに乗り物自体が重くないし車輪も小さいので、安定性に非常に問題がありそうです。いくら安全装置を付けても危ないのは間違いなさそう。
ロビイング活動をうまくやったな、どうやってやったんだろう?みたいなことを言っている人が多いです。
なんでも規制したがる日本の行政が、なぜあんな新しい乗り物を免許無しで乗れるように決めたのか?
確かに不思議ではあります。
ちなみに個人的には見たことはありますが乗ったことはないので、一度乗ってみようかなと思いました。遊び半分ですが。
本当に危ないのかどうかも乗ってみないと分からないですからね。
ロビイングがうまかったのかどうかは分かりませんが、社会のルールとして今回電動キックボードがあのような形で認められたこと、いろいろ考えてしまいます。
電動キックボードの話を考えていると、大麻解禁の話題とちょっと似ているような気がします。
大麻解禁はいまやあちこちの国で進んでいて、日本でも議論はなされているようです。タバコより実は害が少ないとか、認めることでむしろ闇社会の利益になることを防げるとか、いろいろ認める理由はあるようです。
確かに大麻にしても電動キックボードにしても、「新しい価値」というのは確かにあるのです。
大麻もうまく利用すれば新しい嗜好品として社会にうまく取り入れられるかもしれないし、それに関わる産業が生まれて経済効果があるかもしれない。
電動キックボードだって導入してしまえば便利な場所は絶対にあるし、観光が活性化したりするかもしれない。
しかし、デメリットというのは両方あって、反対している人はそれを問題にします。
実際に大規模に導入して、長い時間をかけたくさんデータをとったら、結局は大麻を導入したほうが生産性が下がったじゃないか、という結果になるかもしれないし、電動キックボードを導入したことで事故が増えてそれによる経済損失の方が多かったじゃないか?ことが判明するかもしれない。
そのデータを以て、電動キックボード禁止にしましょうという話になるかもしれません。でもそれにはすごく時間がかかります。
はじめの導入にあたっては、その考えられるメリットとデメリットが結構不確定で、比べる単位が違っていて比べにくい。それこそ「経済効果」と「危険性」なんてものを比べるのはとてもむずかしいのです。
大麻をその辺でみんなが吸っているような社会は嫌だし、危ない電動キックボード野郎に気をつけて車の運転をしなければならいのもストレスです。
でもそういうのは数値化が難しい。
ただ確かに新しい乗り物に関して安全性ばかり言っていたら、何も始められないかもしれない。
自転車や原付・バイクがどれだけ危ない乗り物かみな分かっていると思いますが(特に医療者なら)、全部禁止にしましょうという人はさすがにいません。
大麻にしても電動キックボードにしても、人間というのは快楽やなんとなく便利そうだな、というものにフラフラとずっと引き寄せられていくものなんでしょう。
口では安全や健康と言いながら、実は本心では快楽や便利さを求めている。そういう二面性が社会を作っているんだなぁと思ったりします。