ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

"Long Covid" 事業所による違い

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

タイトルの"Long Covid"、このエントリーではコロナにかかった後に起こる症状のことを言っているわけではありません。

コロナ騒ぎが実質終わりになり国もその方針で動いているのに、まだコロナを引きずって変に各事業所(会社や病院)に残っている暗い雰囲気のことです。

僕は通常勤務している病院ではないところで一日アルバイト勤務をしているのですが、タイプの違う病院なので、この"事業所のLong Covid"について自分の病院との違いを結構感じます。

 

アルバイト勤務している病院は結構大きい病院で、常勤の麻酔科医は何人もいるのですが、他にもアルバイトの麻酔科医が数人来ているというようなところです。

外科系も大学病院ののようにたくさん人数がいて、若い人も多い。

 

看護師も若いし、医者の入れ替わりも多いです。

一方僕の働く病院は、小さな施設で医者も看護師も少なく、入れ替わりがあまりありません。

いつからいるんだろう、この人?みたいなかなり昔から働いている人もいます。

 

www.cokermarin.com

 

医療業界は全体的に古い体質で、生産性が低い感じなのはどこも同じなのですが、その中でもやはり大きな病院で、それなりにいろいろと新しいことをやっていこう、みたいな雰囲気のある病院はコロナのことをみんながもう引きずっていない感じがします。

飲み会なども普通にやっているようですし、何より雰囲気としてコロナっぽい感じがもうなくなっている。

 

一方僕の病院だとまだ飲み会は実質禁止状態で、なんかまだコロナっぽい暗い感じがある。もちろん病院のルールとして飲み会禁止なんて書いてないんですが、コロナなんてもういいじゃないか、みたいなことを言い出せる感じがしなくて、飲み会しましょうと誰も言い出せない感じ。

 

コロナは実質的にはもう普通の風邪ウイルスになっていて、もちろん風邪ウイルスだからって怖くないわけじゃないんですが、とにかく今は「そこにいるみんながコロナをどう思うかの共通感覚」が一番重要になっていると思います。

 

コロナそのものは同じでも、そこにいる人がどう捉えているか。

もっというと、そこにいる人達で作り出すコロナに関わる空気みたいなものがどんなものであるかというか。

 

なぜ大きな病院でと小さな病院でそんな違いが起こるのか。

病院でも他の事業所であっても、管理者というのはコロナに対して慎重姿勢にならざるを得ません。

なにか感染対策のルールと作るとなったら、スタッフの自由を制限するような厳しめのルールを作るしかなくなります。

もし隣の病院より緩めのルールにしましょう、という意見を出したら、「クラスターがまた広がったらどうするんだ!」という声に反論できないからです。

それは大きな病院でも小さな病院でも同じです。

 

しかし、概して全従業員に対する管理者の数や実質上の権限の大きさというのは、大きな病院ほど実は小さくなります。

院長や事務方、看護部が決めたルールに、下の若い医者達はぶーぶー文句を医局で言って、管理者批判をする。いくら抑えようとしても抑えがきかない。最終的には従うとしても、です。

 

でもやはりそれが自由な空気を作り、コロナでの息苦しさから救ってくれるような面だってあるわけです。

院長や部長達、ICTやらが◯◯やれ、と変なルールを押し付けてきて、それにまったく不平を述べる場すらなかったら従う身としてはしんどいですよね。

決定する方のストレスだってありますが、決定に従わなくてはならないストレス、というのはあって、若い人ほどそれに耐え難い気持ちを持つものです。

 

もっと小さな病院、例えば一人院長のクリニックにまでなると、院長がすべてを決めて従業員は黙ってそれに従うだけになります。

僕の病院なんかでも、働いている医者の年齢層が高いので上の決めたことに反対するようなめんどくさいことをやろうとする人もいないし、内心いろいろ思っていても黙って従っている人ばかりです。

看護師たちも多分、入ってくる患者が高齢者の誤嚥性肺炎や骨折ばかりだと、もっと生産性を上げて意味のないルールなんてなくしていこう、と声を上げる元気だってなくなるんでしょう。

 

なので自由な発言の場が生まれにくい結果になっている気がします。みんなが黙って従おう、めんどくさいから、で厳しめのルールどおりに事業所の空気が醸成していった結果、事業所のLong Covidが長引いているんだろうな、と思います。

 

僕はツイッターやブログでいろいろ書いたりして、家族にも話しますし、そんなにストレスは溜まっていないような気はしますが、どうしても他の病院などど比較していろいろと考えてしまいます。

こういうことを眺めていると、デービットアトキンソンじゃないですが、中小企業の生産性の低さ、みたいなことってまさしくこういうことなんだろうな、ということを考えたりもします。

個人的には困りますが、こういう中小の非生産的な病院はどんどん統廃合していったほうがいいんだろうな、とは正直感じるところです。