ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

岸田総理の政策みて麻酔科医として正直思ったこと

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

 

岸田さんに総理大臣が変わって、とりあえず株式市場は暴落を続けています↑が、政策について少し思ったことがあります。

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「公的価格の見直しを訴えてきた。看護師、介護士、保育士の方々の給料は、仕事の大変さに比べて低いのではないか」と指摘。「こうした方々の給料は国で決められる。国が率先して公的価格を適正に引き上げることを考えたらどうか。それを呼び水として、民間の給料の引き上げにも広げていくことができるのではないか」

 

コロナでは、看護師不足が叫ばれて、そういったことからも看護師の給料を増やすということを政策としてあげておられるようです。

財源があるのなら大いに結構だと思いますが、これをみて正直に感じたことを述べます。

 

個人的には麻酔科の将来の見通しは相当暗いと思っていて、今後は参入してくる"麻酔看護師"をパイの奪い合いをするという(医者としては)情けない未来しかないと思っているのですが、看護師の給料自体が上がるとしたら、これは実は現行の麻酔科医にとっては良い部分があるのではないでしょうか。

 

今後病院の集約化が進んで、一般的な手術センターが30室くらいになるとします。

これを麻酔看護師一人一部屋で30人、麻酔科医が3列を一人で監督するとして10人必要だとします。

給料は、麻酔看護師が年収600万円、医者が年収1200万円とします。すると合計3.0億円人件費がかかる。

 

麻酔看護師ではなく、全部麻酔科の医者だとすると、30人必要で、人件費は3.6億円です。麻酔看護師もいる時と比べて、人件費は0.6億円(6000万円)高くつくことになります。

 

これが経営側が麻酔看護師の導入を考える、一つのポイントになると思います。医者の仕事を一部看護師にさせることで、6000万円の経費が浮くわけです。

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しかし、岸田改革で看護師の給料が上がり、麻酔看護師の給料もそれにともなって上がるとしたら、少し話が変わります。

 

もし給料700万円の麻酔看護師30人と、麻酔科医10人(年収1200万円)で30部屋回すとなると、人件費は3.3億円となります。

全部医者で回した場合との差は0.3億円(3000億円)となり、先程の計算より「節減できるコスト」が50%減ることになります。

 

つまり、医者の頭数だけしっかり揃えられるのなら、麻酔科医の首を切って麻酔科医を導入していくというメリットの一部は減ることになります。

 

専門性を持った麻酔科医にだけできる麻酔だけをやっていけばいいんだとか、そういう議論はおいておいて、業界の一員としては現実的にこういう話はしっかりと考えておかなければなりません。医療業界自体が今後残されたパイを奪い合う時代ですので、麻酔科医に与えられるパイは大きく残るにこしたことはありませんからね。