ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

イランとアメリカの対立に関する基礎知識。トランプの本音を予測してみました。

こんにちは、コッカーマリンです。

 

明けましておめでとうございます。

年末から年明けにかけてイランとアメリカの間の軍事的な動きがあり、相場は上げ下げをくりかえしています。

こういう時に変に予測して動くとたいてい痛い目をみるので、しばらくずっとノートレです。

 

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イランとアメリカは今度どうなるのでしょうか。

今朝トランプが「これ以上の軍事的手段は用いない」と発表したことでまたリスクオンの動きになっていますが、まだまあ余談は許しませんよね。

 

何で今回こんな動きになってきたのかということをなんとなく考えるんですが、昨年の春くらいにISが崩壊したこととも関係あるんでしょうね。

あとはずっと続くイランへの経済制裁。

 

基礎知識として、イスラム教はスンニ派が多数派で、85%くらいです。

シーア派は15%くらい。

で、シーア派はほとんどイランにいます。イランはほとんどシーア派(90%以上)。

次にイラクです(60%くらい)。

イランとイラクってなんか仲悪い印象ありますけど、どっちもシーア派が多いというアラブ世界ではめずらしい存在なんですね。

ちなみにスンニ派の盟主といわれているのはサウジアラビアです。

 

イランはアメリカからずっと経済制裁を受け続けていて苦しい、なんとか中東各地にシーア派のグループを組織して影響力を伸ばしたい(それの中心人物がソレイマニ氏だった)と考え動いていた。

 

ISはスンニ派で、国境を超えてシリアやイラクに展開していたわけですが、とりあえずは崩壊しました。

ISの影響力が無くなった部分にイランが入り込もうと(特にイラク)勢力(シーア派武装組織というやつ)を増やしつつあった

年末に実際にシーア派武装組織の軍事行動がイラク国内で起きていた。

 

イラクにいるアメリカはそれにお灸をすえるつもりで今回のソレイマニ殺害を行動に移したんだと思います。

まぁお灸をすえるなんて生易しいものではないですが。

ピンポイントでそんな重要人物を攻撃できるなんて、やっぱりアメリカってすごい(怖い)ですよね。

 

しかしそのままイラン全土に軍事侵攻をかけるとか、政権転覆を狙った動きがあるかといえば、アメリカの狙いとしてはそれはないと思います。

 

先程も書きましたが、イランはほとんどがシーア派です。イランに戦争しかけたらシーア派の難民が大量にでるということで、それが中東各地に散らばったら各地で迫害されその一部がテロ組織化して中東が一気に不安定化する。

そんなの誰の特にもなりません。

イスラエルだって嫌なはず。

 

つまりイスラム世界の少数派であるシーア派はイランというある程度安定した国に集まってもらっていたほうがいいに決まっているんです。

アメリカとしても、世界の警察であることから撤退気味ですし、中東が安定化することが国益にかなう。

なのでイランにとどまっていてもらって、他の国で武装組織を組むなんてことやらないでくれ、というのがアメリカの本音なんだと思うんですよね。

 

今回やり過ぎたのでソレイマニさんを殺害した、と。

ある意味今回の件でイランとアメリカの間でのレッドラインが定義されたと考えるべきなんじゃないでしょうか。

 

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トランプの本音はまた別で、僕は実は「トランプはイランと仲良くしたい」んじゃないかと思うんですよね。

彼は実は平和主義者で、また歴史に名を残したいという栄誉心が強い人物だと思うんです。

中東で不毛な争いがあること自体を「儲かりもしないのにあいつらなにやってるんだ」って絶対思ってるんですよ(多分)。

で、俺だったらみんなを仲良くさせられる、って思っている。

経済制裁を緩めたりしてイランに歩み寄りを見せたいんだけど、かといって何もなしでアメリカからすり寄るわけにもいかない。

 

なので国内のタカ派にアピールする意味で今回の攻撃を仕掛けたと思うんですね。

ちょうどソレイマニ氏の動きが察知できたタイミングでもあったんでしょう。

 

完全に僕の予想なんですが、しばらくしたら

イランの(あれ以上の攻撃を控えたorアメリカ人死者が出ないようにした)勇気ある行動を称える

とかいう理由でもつけて関係をよくする動きがあるんじゃないかと思っています。

今回攻撃を一度やってダメージを与えているので、国内世論的にもやりやすくなっているんじゃないでしょうか。

 

いずれにしても以上のような基礎知識があるの中東がらみにいろいろなニュースが良く分かります。

僕も中東に関する本をもっと読んでみようと思います。