ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

なぜ西側諸国が束になってかかってもロシアをコテンパンにやっつけられないのか

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

ロシア・ウクライナ戦争がまだ終わりませんが、なぜこれだけ西側諸国がいろいろ制裁してもロシアが音を上げる様子もなく、むしろ西側諸国の方がインフレや株安で困っているかのようにみえるのか、不思議ですよね。

 

はじめの頃はSWIFTからの排除でロシアはすぐ経済的に破綻するとか、西側からの部品が届かなくなってすぐ物資不足になって戦争できなくなるとか言ってたのに、全然予想は外れました。

西側の呼びかけに第三世界が思ったより協力してくれない、中国がロシアを支援している、西側諸国の中でも実は足並みが揃っていないなんて話もあります。

そうはいっても、やはりアメリカやヨーロッパからのモノが来なかったら、長期的にはキツイはずなんですよね。でも長期戦にロシアは持ち込もうとしている。

 

それはなぜかというと、ロシアはむしろ西側より資本主義経済の弱点を知ってるからなんですよね。それが結局長期的に戦うと、資源国である自分たちより西側諸国のほうが困るであろうと読んだ原因だと思います。

 

資本主義経済の根本って、信用創造による経済のレバレッジと、大量生産、大量消費による原価の低下と、技術革新による人間のコストの低減です。

 

かんたんに言うと、お金のない人でも銀行からお金を借りて商売ができる(普通の経済状況下なら大抵資金は回収できる)、科学技術が発達することで資源の採掘コストがどんどん下がって商品を安い原価で作ることができる、新しい機械を導入することで雇う人を減らせるが人間のコストって曖昧なのでどさくさに紛れて機械を導入するごとに人件費を安くできる、こういうしくみが資本主義の動力です。

 

信用に信用を積み重ねて上の仕組みが成り立っているので、どれか一つでも欠けたら大変なことになるわけです。

レバレッジをかけて崩壊していく。

 

1つ目の「信用創造」に問題が起きて大変なことになったのがリーマンショックでした。金融機関が不透明なことをあちこちでやっていたために、どの投資商品が問題があってどれに問題がないのかわからなくなり、金融商品のすべての信用がなくなり、あのような事態に陥りました。

 

今回の資源の供給不安、インフレによるショックはまさにこの2つ目の要素に問題が起きたのだといえます。

ロシアが資源を西側諸国に送らなくなったので、これまで安い原価で大量に作れていたモノが安く作れなくなり、大量消費のループに急激にストップがかかってしまいました。そもそもコロナで各国の中央銀行は市場に資金を供給しまくっていて、いわば経済が水ぶくれ状態になっているところから始まっているので、リーマンショックのような状態に最後は陥る可能性は十分にあります。

 

なので、いくら物量で西側諸国が勝っているようにみえても、資本主義経済の根本にナイフを突きつけられている状態なので、すっと簡単に勝ちに持っていくことができないわけです。というか、西側諸国が資本主義経済を維持するためには、ロシアからの資源がどうしてもまだ必要であり、自分が生きるためには相手に力を与えなければならない、というおかしな事が起きてしまっているのです。

これがロシアをコテンパンにやっつけられない理由です。

 

3つ目に関しては、もう十分西側諸国の市民は限界まで削り取られていると思うので、これ以上はたかが知れていると思いますが。

 

ロシアのプーチン大統領のタイミングは絶妙で、コロナからの回復で、資源の需要が増してきたタイミングでこの軍事行動をやってくるという、さすがの老練ぶりを感じます。資源という、自分たちの武器が最大限利用できるタイミングでやってきたということです。

西側のたくさんのエリートたちより、現在の状況を見通していたと思わざるを得ません。

しかし、プーチンの思い違いもきっとあるはずなので、今後続くにらみ合いの中で、突破口が見つかるといいのですが。