ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

バイト麻酔科医の気持ち

こんにちは、コッカーマリンです。

 

麻酔科はバイトで回すことが他の科よりも多めです。 

 

患者さんからしたら麻酔科に関して○○先生に診てもらっている、という感覚がないし、外科系の医者からしても○○先生の麻酔じゃないといやだみたいのって実際はほとんどない。

 

治療に関して前後の文脈が介在しないんですよね。

他の科の場合、患者さんがこの先生なら信頼できそう、ということで外科医を選んで、その先生に手術してもらって、術後の治療もその先生の言う事なら、ということで頑張るわけです。

どこか一部だけ他の先生に替わったらまずかったりする。

「その先生に治してもらっている」という感覚があるから。

 

麻酔科は極論をいうと手術の何時間の間だけお付き合いするだけで、しかも患者さんは多くの場合その間寝ていますし、個人的な気持ちのつながりがない。

麻酔で治療の良し悪しが変わるわけでないと、患者さんも思っています。

 

外科医も問題なく寝かせてくれてたらどんな麻酔の医者でもいい。

なのでアルバイト医みたいな働き方にフィットしている、ということになります。

 

他の科の医者からしたら、バイトでたくさんもらえていいな、とか思われたりします。

まぁ内心(そんなつまらん仕事...)とも思われているでしょうけどね。

 

しかしバイトで麻酔をやった人なら同意してもらえると思いますが、決してバイト麻酔って楽ではないですよ。

 

慣れていない場所だから仕事がやりにくい、そんなことではないんですよ。

アウェイで周りが自分を全くケアしてくれない中で働くのがすごいストレスなんです。

どうせバイトだしなこの人給料たくさんもらって金の亡者みたいなやつなんだろ、とか思われてる中で働くのすごく個人的に苦手です。

明らかにバイト麻酔であてられる症例ってリスクほとんどなしのただ麻酔器の前に座ってたらいいだけの症例だから、「来てくれてありがたい」っていう感じを持たれることもないですし。

f:id:cokermarin:20191225171106j:plain


 

とくに看護師がキツイ。すさまじく感じが悪くて、喧嘩売ってるのかレベルのオペ看いますからね、だいたいどこいっても。

 

麻酔科医の先生たちもどことなく近づいてこないんですよね。

たぶんお互いのやり方が違ってて変な感じになるのを本能的に避けようとしているのではないか、と思われます。

 

むしろ外科の先生が一番話しやすいかもしれないですね、超アウェイにいくと。

彼らにしたら別に麻酔科なんてなんでもいいから、ちょっと話してまともそうだったらあとは普通に話してくれますよ。

 

大学病院時代、大学からずっと麻酔科医が派遣されてる病院とかに行っているときはそういうめんどくさい感じはなかったですね。

やっぱり「大学のセンセイ」ということで尊重されていたんでしょうか。

今のほうが自分で毎日麻酔かけてますので、ウデは上がってるんですけどね。

 

人がなにをしんどいって思うか、それはほかからは分かりません。

麻酔のバイト医なんて自分の好きでやってるんだから何言ってるんだよ、って思われているかもしれないですけど。

 

人によるかもしれないですけど、やっぱり僕はフリー麻酔科医なんて無理ですね。

収入もそんなに大したことないですよ、実際は。

バイトで毎日12万円250日/年で額面年収3000万手取り1800万くらい

普通の勤務医で額面年収1800万手取り1200万くらい。

みたら分かるように、フリー麻酔科医なんてほとんど給与支払いだから、まともに税金でもっていかれるので大して残りません。

有給休暇も実質ないし、インフルエンザで休んだりしたらその分マイナス、しかも信頼なくす。

夏休みなど長期休暇もなし。

いつもクビにならないかビクビクしないといけないし、なにより孤独で仕事してる間中ずっとアウェイな気分を感じないといけないわけです。

 

もっと稼いでるバイト医いるかもしれないですけど、そんなにおいしい案件はもう今やあんまりなくなっているはずです。

これだけストレスかかえてがんばってやって、これくらいの差だったら全然割にあわないと思いますね。

 

某学会がバイト麻酔科医を目の敵にしていますが、心配しなくても勝手に滅んでいくと思います。

やっぱり麻酔科医でも人に感謝されたり、頼りにされたりする感覚がないと仕事なんて続けられないですよ。