ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

NHKスペシャルで、コロナで心の異変をきたした大学生の話を見た感想

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

先日NHKスペシャルを見たのですが、これが結構興味深い内容でした。

www.nhk.jp

 

 

コロナで大学生活のうち三年間を過ごした方二人が出てきて話していたんですが、確かに大学生になって東京に出てきて、三年間人と接さないで今から就職活動しましょう、というのはすごいことですよね。

全然大学生らしい楽しい時間過ごせなかったんじゃないか?とか思ってしまいます。

大人になっていて、代わり映えのない毎日を送っている僕みたいなのが3年間飲み会とかやれません、というのとはぜんぜん違う。

 

番組では、色々な実験結果や調査結果から、いかに人間にとって孤独がメンタルに悪影響を起こすのか、それな長く続くことで性格まで変わってしまうことなどが紹介されていました。

 

番組ではコロナ自粛生活によってコミュニケーションに障害を起こしてしまった人は、意外と元々人付き合いをしないタイプではなくて、人とコミュニケーションと取るのが好きなタイプが多いということが言われていました。

 

人は社会的生き物なので、人とコミュニケーションと常にとらないと不安を感じます。そのためには番組でも紹介されていましたが、リモートでは相手との感情の同期が行えないので、面と向かってやはり会って話す必要がある。

 

しかし人間にとって知らない人と新しく知り合ってコミュニケーションをとること、これ自体はストレスです。いえ、もともと知っている人同士でも、集まる計画を立て、わざわざ集まり、話題を考え、お互いに多少気をつかいながらコミュニケーションをとるというのはストレスなのです。

 

それでも人間がそれを乗り越えてコミュニケーションを取ろうとするのは、相手と心が通じた時の喜び、それによって起きる脳内の報酬系の活性化からの心地よさを求めるからです。

ストレスを乗り越えて、それ以上の快感を感じ、それを繰り返して人間社会というのはコミュニケーションを広げてきたわけです。

そして、それによって社会にイノベーションが起きて、文明が進化する原動力となってきたのです。

 

しかし、強制的に人とコミュニケーションをとらない生活を強いられて、人と会うこと自体にストレスを感じるようになってしまった個体は、"人と会って通じ合うことで得られる報酬系の興奮"を得られない。

なので、慣れない人と話すことに、ストレスしか存在しないようになってしまうということです。

特に、今はコミュニケーション能力というのが高く評価される時代で、もともと人とコミュニケーションをとることにストレスを感じやすいタイプの人が、無理やり頑張って人と話すことを潜在的に強いられていたのかもしれません。

そういう人が特にコロナで急激な孤独状態を経験して、色々なことに対応できなくなっているんじゃないかと感じました。

 

始めのツイートに続くツリーでも書きましたが、こういう人間のコミュニケーション能力に関する複雑な発達の具合など、実はよく社会で理解されていたわけではありません。

なのに、若者も含めた社会全体に3年間も自粛生活を要請する、なんてすごく乱暴なことをしてしまいました。

 

影響が大きすぎて、そして今更どうしようもない事実もあり、また「コロナ蔓延を防ぐ」という誰も反論のできない錦の御旗がある限り、この話の問題点を検証される機会があまりに少ないような気がしています。