こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。
コロナはもう2年です。
武漢肺炎だ、から始まって、ワクチン開発、デルタ株、オミクロン株、いまはまたステルスオミクロン株とかも言い出して、もういつまでやるんだという感じです。
ステルスオミクロン?別の多少の変異が入った亜型ができるのなんて当たり前で、さすがにもうこれ以上コロナに関して情報を出していろいろやるのは無理でしょう。 https://t.co/JVW9qkra4J
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) January 25, 2022
国や自治体、企業内でのコロナ対応の段取りはだいぶ確立されてきて、陽性になったらとにかく社会的に大変面倒なことになることから逃れられないんですが、一方コロナ自体の病気としての怖さは感覚としてだんだん減ってきていて、今はそのコンフリクトが起こっているような気がします。
この程度の風邪みたいな症状の病気のために、なんでそんなめんどくさいことにならないといけないんだ?というわけです。
確かに、実際にそういうことを感じることもありますよね。コロナが職員から出た、というだけで接触のあった人を一生懸命割り出して、検査をするわけですが、全然症状のない複数人から陽性が出たりする。
働けない人が一定数出るので、シフトやらなんやらで大混乱するし、外部に対する説明も大変です。
病院だったら普通に入院患者とれないし、もう大変です。
で結局、最終的に陽性だった人全員単なる「風邪」症状だけだったりするんですよね。当然なんだったんだろうこれ?ってなる。
こんなこと言ってると、「そんなことはない、コロナはただの風邪ではない、ほらこんなに重症の人もいるだろ!」って例をあげてきたりする人いるんですけど、そりゃそうで、ただの風邪だと言っている人だって分かっているわけですよ。
分かった上で「ただの風邪だ」と言っているんですよね。そのあたりが食い違っている。
コロナはただの風邪ではないんだけど、「コロナはただの風邪」って言う人もいろんなニュアンスで言っているのでその言葉だけに過敏反応するのもなんだか。コロナに感染して復帰した人で「コロナ、ただの風邪だよ」って言っている人が自分の周りに二人もいて、結構いろいろと考えます。
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) December 8, 2020
というか、いまやそもそもはじめに陽性だった人から感染したかどうかも不明です。
要するに、今の社会のコロナ対応が、なにをやっているのか分からない、ということなんですよね。
そして、こういう話が出てくる。
コロナに関して、「自分の当初の感覚と違って、専門家の人たちが言ってたのがやっぱりあとから正しかったっていうこと、たくさんあったなぁ」ということがあまりにも少なくて、それでも偉そうにしてるから嫌われているんだろう。しょうがない。
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) January 25, 2022
これに対する反応をみているだけで、みなのストレスがちょっと分かります。
ちょっと誤解している人もいそうですが、別にコロナで「専門家」と呼ばれていた人たちが、発信していることであったりいろいろ決めていたことを否定したいわけではありません。
むしろ、こんな大混乱の中火中の栗を拾った先生方には、本当に頭が下がる思いです。
ただ、世の中の普通の人が求めているのは、「◯◯すれば、リスクを最小限に抑えられて、普通に暮らせる」という教えを、誰かが授けてくれることなんですよね。
理屈なんてのは、どうでもいい。
「新しい危機だから専門家だって分からないことだらけだ」、なんて言い訳にしか聞こえません。
状況が変化したら、やるべきことも変わる、なんて、せっかくやってきたことを否定されるようで、そう何回もやられたらもう嫌になる。
人間というのは、マクロでみるとそういう生き物なんですね。個人的にはすべての人にとって"自分ごと"であるこういうリスクが湧いてきた時の、社会の動揺という点で、とても学びになりました。
みんな、考えたくないんですよ。考えて、理解して、その通りに行動し、その結果も受け入れる、なんて、ほとんどの人にとってストレスが多すぎるのです。
世の中って、そういうことをみんなに考えさせないようにしてこれまで運営されてきたということなんですよね。
車に乗ったら、ほかの行動と比べて事故にあって死ぬ確率相当高いとか、自分が殺人事件にあうとしたら、犯人は親族である確率が50%以上だとか、そんなこと考えずにみんな生きているでしょう?
むしろ”教え”を求めていると言うか、自分を思考停止にしてくれる存在を無意識に求めます。
逆に理屈を正しく伝えてくる人へは敵視するようになってしまうという。
これを思うと、つい戦争を想起してしまうんですよね。ファシズムに突き動かされて、戦争に突っ走っていった日本。
岡田斗司夫じゃないけど、やはりコロナは戦争なんですよね。
メジャーな医クラ達に対するSNS上でみられる反感の感情も、こういう流れで見てみると、また違って見えてくるように感じます。
コロナに対する正しい知識とか、理屈なんて、民は求めていないんですよ。
コロナ自体が変化したから、次はこうやれ、とかもうめんどくさくて、これ以上無理。
そもそもはじめ言ってたのが嘘だったんじゃないの?ってなってしまう。
心のなかでは正しいんであろうことは分かっているんだけど、それを振りかざされると、心が乱れる。
なぜ医クラの一部がこんなに嫌われているのか、つまりこういうことではないかと思います。
@losgenedoctorではどうも「反医クラクラ」みたいになっちゃっていますが、一部のアカウントの言葉の選び方などが問題だと思うときはありますが、基本的に全然悪意なく正義感に突き動かされてやっている人たちを否定するつもりはありません。
ここでだけ言いますが、実はむしろ応援しています。
僕みたいなちょっと斜に構えたようなアカウントが、医クラ内でネガティブフィードバックみたいに働くのが、健全な気もしますしね。
それはともかく、いまタイムリーにネット(というかSNS)上やリアルでも起きている、コロナに対する考え方の人々の間の混乱、対立の原因の一部は、こういう視点で理解できるんじゃないかと思いました。