こんにちは、ロスジェネ勤務医です。
塩野義製薬が新型コロナの内服薬を開発したようです。承認申請の段階まですでにきているようです。
この薬について、国民から人気のない甘利さんがこんなツイートをしたことで話が少しややこしくなっています。
塩野義製薬が開発中のワクチンと治療薬の治験報告に来ました。日本人対象の治験で副作用は既存薬より極めて少なく効能は他を圧しています。アメリカ政府からも問合せがある様です。ワクチンは5月めど治療薬は2月中にも供給は出来ます。外国承認をアリバイに石橋を叩いても渡らない厚労省を督促中です。
— 甘利 明 (@Akira_Amari) February 4, 2022
塩野義製薬が"前科"がある、いう話が持ち出されて、いろいろみんな言っていますね。
塩野義がコロナの「内服薬」を出すと言っていてすでに治験では「手ごたえを感じている」と。
— \\りょーた// (@ryoinalf) February 8, 2022
国産のコロナができるっていういい話のように見えるこの話に医者がわーわー言ってるのはなんでかというのをちょっとお話。
塩野義には「前科」があるんですよ。
今回の内服薬についてはまた違う話だと思うので、とりあえずあまりまだ断定的なことをいうのはよくないとは思います。
●塩野義の経口プロテアーゼ阻害薬S-217622について
— influenzer (@influenzer3) February 8, 2022
→これまで全く臨床データが出てこなかったので心配しましたが、ようやく出てきました。
かなり希望が持てるデータだと思います。
何はともあれ、思ったのは、医者の発想と世間の発想はやはり違うなぁということです。
「前科」のツイートの人も、悪気はなくて、製薬会社が以前「医学的に問題のある行動をした」と思っているわけで、それを広く知ってもらいたいと感じたのでしょう。
確かにゾフルーザはなかなかひどかった。
しかし、塩野義製薬を含め、製薬会社はあくまで企業であり、利潤を求めます。
塩野義製薬も日本有数の大企業であり、世界中の多くの人のために薬を作って幸せに貢献しているわけです。
ゾフルーザの時は確かに行儀が悪かったかもしれませんが、そういうことも含め企業努力をしなければ、最悪倒産して薬を提供できなくなって、困る人がたくさん出るかもしれません。
甘利さんは政治家であり、いろんな人の思いを代表する存在であるべきです。医者とか企業の方ばかりをみて発信することがあるとすれば、そっちのほうが問題です。
特にあの年代の人は、「日本の技術は世界一」という感覚がいまだに抜けきれていないので、これだけ経ってもコロナ治療薬が日本発で生まれないことに忸怩たる思いがあったのでしょう。
「国産が出来るまで接種も経口薬も安心できない」という方に一刻も早くお届けし、副作用が少なく効能が高いと云う証左があるなら迅速に国民の皆さんの安心に繋げるべきという、私の思いです。(3/3)
— 甘利 明 (@Akira_Amari) February 9, 2022
自分のそういう感覚と、一般人の一部のそういう感覚を持っている人の思いとで、あのようなツイートをしたのだと思います。
そういう意味で僕は、あの発信がそんなに悪いものだとは思いませんでした。
遅ればせながら甘利さんのツイートみたけど、そんなに問題あるとは思わなかった。むしろコロナという緊急事態において、国民のリーダーたる政治家が、国民を勇気づけるような発信をしようと思うのは当たり前だろう。「批判していい人を見つけて叩きたい」批判脳の人が多すぎますね。
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) February 7, 2022
どちらにしても、粉飾決算をしているわけでもなく、ビジネスの面からはまともに運営されている企業に対して、「前科」なんて言葉はすこしきつすぎるんじゃないかとは思いました。
企業努力でしっかり毎決算黒字を出している上場企業に、国の税金をガンガン使って高い給料もらっている立場から「前科」なんて言葉、僕にはとても使えないな
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) February 9, 2022