ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

真鍋さんのノーベル賞の話でおもう同調圧力の話

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

news.yahoo.co.jp

ノーベル物理学賞を気候科学の権威である真鍋淑郎さんが受賞されました。

ESGとか脱炭素などがテーマになっている昨今、気候変動の研究に対して今ノーベル賞を授与するというところにノーベル委員会の"小賢しさ"を感じますが、それはさておき、ネットでは真鍋さんが会見で話した「日本の同調圧力」の話で盛り上がりました。

 

記者から米国籍を取得した理由を問われると、日本では周囲との「同調」が求められるのに対し、米国では周りを気にせずやりたいことができるから、などと回答。そして、こんなコメントも残した。

「日本に戻りたくない理由の一つは、周囲に同調して生きる能力がないからです」  

この発言に、会場では笑いが起こった。

 

この発言が切り取られて、「日本社会の同調圧力のせいで日本はだめなんだ」というように独り歩きしているようにみえます。自分の中の同調圧力に対する嫌悪感を、この話を結びつけていろいろ言ってしまう、いつものやつです。

 

真鍋さんがどういう意味でこんなことを言ったのか分かりませんが、こんなおめでたい場で嫌味なことを敢えていうはずがないんじゃないかと思うんですよね。

自分は"変わり者だ"という認識があって(ノーベル賞を取れる研究者なんて多かれ少なかれ変わり者です)、周囲と協力して波風立てずにやれる日本人的な能力の良い部分も分かっていて、自分はノーベル賞を取れたかもしれないがそういう協調性はない人間である、という謙遜のつもりだったんじゃないでしょうか。

 

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それはともかく、一番思ったのはこの"日本社会の同調圧力"というキーワードにみんなやたら激しく反応するなということです。

しかしむしろ同調圧力よりそっちの方が、今の日本には問題なんじゃないかと。

 

国が傾いてくると、自分たちに自信が無くなって、ネガティブな定説みたいなもの(この場合社会の同調圧力ということになります)にやたら反応しやすくなる。

自分では解決できないけど、ひたすら嘆く、みたいなことです。

 

国が下降して将来が不安、となると、なにか原因があるに違いないと思ってしまいます。でも自分のせいであるとは思いたくない。なので、自分が生まれる前から社会に存在するネガティブな空気が悪いんだ、と嘆いてなにか自分だけは分かった気になりたいわけですね。

そんなことを言ってても誰も幸せにならないし、問題は解決しないんですが。

 

同調圧力というのは社会にあるものではなくて、自分の中にあるものなんじゃないかと個人的には思います。

なくそうと思えば、5秒後からなくしてしまえるんじゃないでしょうか。