こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。
夏の高校野球が、仙台育英の優勝で幕を閉じました。
コロナ陽性者が出て出場できなくなったり、ベストメンバーで戦えなかったりしたチームがあったりした大会でした。
ちょうとオミクロン株が猛威をふるっていた時期と重なったので、どうしても仕方のない面はあったのかもしれません。
そんな中で、この仙台育英野球部の須江監督のインタビューが印象に残りました。
須江監督の優勝インタビューが最高に泣ける#甲子園 #高校野球 #仙台育英 pic.twitter.com/JQugI7NR4H
— 鮪 (@llmtrzll) 2022年8月22日
一部をテキストに抜粋したものです。
――今年の3年生は入学した時から、新型コロナウイルスの感染に翻弄されてきました。それを乗り越えての優勝。3年生にどんな言葉をかけたいですか。
入学どころか、たぶんおそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて。
高校生活っていうのは、僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは全く違うんです。青春って、すごく密なので。でもそういうことは全部ダメだ、ダメだと言われて。活動してても、どこかでストップがかかって、どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。
でも本当にあきらめないでやってくれたこと、でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。 例えば、今日の下関国際さんもそうですけど、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんなときでも、あきらめないで暗い中でも走っていけたので。本当に、すべての高校生の努力のたまものが、ただただ最後、僕たちがここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います。
車の中で先日井上陽水の「少年時代」を聞いていました。ストリーミング流してたらたまたま流れてきただけなんですが。
夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれに さまよう
青空に残された 私の心は夏模様
夢が覚め 夜の中 永い冬が
窓を閉じて 呼びかけたままで
夢はつまり 想い出のあとさき
夏まつり 宵かがり 胸のたかなりに あわせて
八月は夢花火 私の心は夏模様
目が覚めて 夢のあと 長い影が
夜にのびて 星屑の空へ
夢はつまり 想い出のあとさき
夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれに さまよう
八月は夢花火 私の心は夏模様
すごく謎めいた、さすが井上陽水という歌詞なんですが、感じたのは「少年時代の思い出」と、「夏」ってすごくマッチするなぁということでした。
もちろん少年時代には春も秋も冬もあるんですが、自分で考えても、なんとなく印象に強く残る記憶って夏な気がします。
もちろん人にとって何が記憶の中で重要なのか人それぞれで、コロナが大変なんだから一回の夏くらい台無しになってもいいという人も多いでしょう。
しかし、インタビューでもあるのように、大人にとっての「夏」と、若い人にとっての「夏」というのは全く別のものである、と認識する感性は持っておきたいと思います。
人生を普通に楽しむことが「不要不急で外へ出る」ことになるのか。今年の夏は今年しかないんですよ。 https://t.co/7C9mh4sPNN
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) July 24, 2022
そう考えると、この上の引用元のツイートなんていうのは、そのあたりに対する感情の薄い、すごく軽々しい内容だと改めて思いました。
全く悪気なんてないのは分かるんですが、これだけフォロワーの多い人のツイートなので、いろいろと感じてしまいました。
須江監督はかなり穏やかな口調でお話されていましたが、私には『密であるはずの青春の時間をよくも台無しにしてくれたな!それでも子供たちは負けなかったぞ!見たか!』という強いメッセージに聞こえました
— テキトー (@sokosokosokosan) August 22, 2022
コロナ禍の間なんの成長もない大人のクソ野郎と、どんな状況でも成長を続ける若者たちの構図
こういうことを感じる人もいます。
大人、特に医療従事者にとっての「重要なこと」は、その属性の人にとって重要なだけで、それを誰にとっても同じだけ大事だと思ってはいけません。
そのあたりを普段からどのように考えているのかは、140字のツイートであれ、言葉の端々から十分伝わります。
コロナも、コロナ以外の医療、健康のためのインフラも全部含め、これからも社会に専門職として協力していかなければならない我々が、こういったことで改めて学ぶことは多いなぁ、とよく思います。