こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。
先日ツイッターをやっていたら、作家の知念実希人さんから突然引用RTされて、怒られてしまいました。
なんか、馬鹿なことを言っているけど、オミクロンは怖いぞ。
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) August 6, 2022
オミクロンのBA.1、BA.2による第6波は1万人以上の死者を出し、これまでの波で最大の被害を出したし、
BA.5による第7波はそれを越える死者を出すでしょう。
感染症は致死率が少し下がっても、伝播性が上がると圧倒的な被害を出します。 https://t.co/NqjId8UfSB
僕のアカウントなんてものを直接知念実希人さんが知っているわけないので、おそらく文筆家の白饅頭さんこと御田寺圭さんとのこの絡みから目に入ったんだと思います。
「全ての医者がそんな奴らではない」ということを示したい思いもあってツイートしてきました。巨大インフルエンサー医師たちに比べたら自分なんかのちっぽけな影響力では全く意味ないんだけど。 https://t.co/CJYo83WLm6
— ロスジェネ勤務医 (@losgenedoctor) August 3, 2022
このスレッドで僕が言いたかったのは、いわゆる自粛感染防御派の医クラインフルエンサーたちがいかに今のような影響力を持つようになり、社会の彼らに対する見方がどのように変化してきたのか、ずっと外から眺めていて率直に感じたことを書いてみた、ということなんですね。
多分この空気は、同時進行で体験している今じゃないと表現できないと思うんですよ。だから僕はこういうことに興味があって、ブログでもツイッターでもよく書いています。
そしてあまりに「教祖」に見えるので、ここでは「教祖」という言葉を使ったんですが、もちろん彼らは教祖になろうとしているわけではないし、真摯に正しいと思うことをいつも述べているだけです。
寄付を要求することもないし、明確にその影響をビジネスにつなげようとしているようにも見えません。
フラットに見て、善意の啓蒙者と言っていいと思います。
しかしどうしても自分たちが正しいと思うあまり、ポリコレ棒を振り回しがちで、「信者」達以外からはネガティブな印象を持たれていることも事実です。
自分たちの言っていることが「正しい」んだから、違うことをする人は「間違った人たち」ということになり、彼らはどうしてもそういうことを言ってしまうんですよね。
若い人が多いし、我慢できない。
ちなみに知念実希人さんについてですが、医者の資格があって、診療活動もしながら、作家としてベストセラーを書いているというすごい人で、ツイッターでもインフルエンサーで、もう凡人には全く太刀打ちできなさそうな感じですよね。
オーディブル聴いていても、よくリコメンドで出てきますよ、彼の作品。
アンチも多い人ですが、大したものだなぁと個人的には普通に思います。
知念実希人さんは医者というより作家で、自分の頭の中で生まれたことを形にしてアウトプットし、それが万人の目に晒されて、つまらないと批判されたり自分の飯の種になったりするわけですから、「自分の頭の中で生まれたこと」に対して他の人より強い自信がないといけないと思うんですよね。
それは主観でも思い込みでもいいし、根拠なんてなくてもよくて、その謎の自信みたいなものが良い作品につながるんだろうと想像します。
しかし、一人の普通の医者、というより今を生きる一人の人間としての僕からすると、彼の言っていることはあくまで彼の主観に過ぎないんじゃないかと思うんですよね。
今回のやりとりでも、僕は彼に対して「オミクロンで死者が"多い"と思うのはあなたの主観なんじゃないのか?」と返してみたんですが、返事はありませんでした。
コロナでの死者が数字として多いかどうかではなく、社会としてみなが自分がコロナに罹患した場合の「怖さ」をそれぞれがどう考えているかのコンセンサスを議論する段階に来ていると僕は思うんですよね。
ある程度の人数が「もう怖くない」と思えば、どこかで線を引いて、コロナをもう特別な病気として扱わない日を決めないといけません。
しかし、医学的に正しそう、命を守りたいという感動的な動機、それに彼自身の文章力が組み合わさると、多くの人が引き込まれます。
彼のやや独善的とも思える部分は、彼の側にいる人からすると、むしろ魅力的に見えることでしょう。
彼の投稿をみていると、とても攻撃的な部分も感じます。だれか攻撃できそうな人を常に探していて、うまく"晒せ"そうだったら、晒してみんなでその人をいじめたい。
間違いなくそういう部分は彼の中に潜んでいます。
これは僕が思うに男の本能で、要するに「自分は強いオス」であると群れの中でアピールしたいわけです。
特に作家として常に注目されるような人ですから、そういう動機は普通の人より強い、と考えても不自然ではありません。
ツイッターでみる、こういう攻撃的な物言いをする人はやはり男性が多いなと前から思っているのですが、これは間違いなく男の太古からの本能じゃないかと思います。
僕もいきなり「馬鹿」と言われてしまいました。
僕も頭の中で色々と考えることがあって、一銭の得にもならないのにツイッターで一生懸命つぶやいたり、このブログに書いてみたりするわけですけど、ともするとそういう"オス"的な攻撃的感情が湧き上がってくることがあります。
本当にカチンとくることとかもあって、こいつ晒して無茶苦茶恥ずかしい思いさせてやろうかな...とか思ってしまったりする。
それが運が悪いと「炎上」したりするのでしょうが、ともかく我々は理性的であるべき現代人なわけですから、それが人の感情を揺さぶる目的の小説などでない以上、原始的な感情をぶつけず、理知的であるべきだと思います。
もっというと、投稿するなら理知的な投稿をしましょう、というより、自分が今どういう感情で何を書いているのかを、自らしっかりと客観的に理解しておく癖をつけましょう、ということかもしれません。