ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

安倍元首相暗殺と、ガーシーが当選してしまう民主主義の関係

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

先週金曜日の安倍元首相の襲撃事件には本当に驚きました。安倍さんはとても好きな政治家だったので、とにかくすごく悲しいです。

バブル崩壊後の低迷から日本を脱却させようと奮闘し、アジアで積極的な指導力を発揮する立場へ日本を復帰させた偉大な宰相でした。

安倍元首相のご冥福をお祈りします。

 

 

事件のニュースが出た始めは、安倍さんがあれだけの保守政治家だったので、犯人はリベラル思想の一派の暴走か、あるいは中国がらみの刺客なのか?とか思ったのですが、結局は新興宗教がらみの妄想を抱いた犯人の狂気が原因だったようです。

みんなが行っていた、「アベガーのせいだ!」というのは、少し違うようです。

 

犯人の動機が明らかになるにつれ、もちろん完全におかしい妄想をベースにした行為なのは間違いないのですが、それに至るきっかけみたいなものは十分に理解できるものでした。いまc知らされている情報の範囲内ですが、僕があの犯人の立場であっても、その宗教団体に対して恨みを抱くこと自体はあるかもしれません。

 

あまりその宗教団体と自民党との関係について知らなかったのですが、いろいろと知るにつれ、日本においてあれだけ強い政治権力を持つ自民党ですら、そういう存在を支持団体として軽視できないのだなぁ、と少し驚きました。

安倍さんが特にその団体に肩入れしていたわけではないし、当たり前のように淡々とお付き合いしていただけだと思うのですが、よく考えてみれば連立与党の相方の支持母体も、誰もが知る宗教がらみの団体です。

 

宗教団体が支持母体だからって、日本にとって悪いことをするとは限らないし、お互いの良いところ取りをしようとする付かず離れずの関係性を築いているんだろうと思うのですが、日本においても権力を維持するには縁の下の力持ち的な存在で、やはり「宗教」というものの力を借りないといけない、ということでしょう。

 

勘違いしてほしくないのですが、だから安倍さんは殺されたんだ、というのは違うと思います。

狂人というのはどんなふうに社会が運営されていても生まれてくるものであるし、目立つ人、というのはまったくいわれがなくても狙わられる可能性があります。

今回の犯人は、どちらかというと京都アニメーションの犯人の男のような、妄想系、陰謀説を信じる系の無敵の人、という印象を持っています。

www.cokermarin.com

 

 

なので、とにかく誰もが知っているような人が、誰もが近づける場所に出ていくときは、物理的に犯行が実行できないようにセキュリティをもっとしっかりとやるべきだと思います。

今回の事件で責任を負うべきは、やはり一にも二にも自民党の警備担当者や奈良県警でしょう。

 

 

今回警護にあたった人たち、どう考えても何も起こらないこと前提で、形だけの警護ごっこしていただけとしか思えません。

あれだけの人物の身辺警護が、そんなレベルの人間に託されてたのかと思うと、日本の平和ボケ、劣化を感じざるを得ません。

 

 

宗教の力を借りないといけない、とさきほど書きましたが、おそらく正しくは「特定の団体の力を借りないといけない」でしょうね。

民主主義は兎にも角にも票を集めないと力を維持できないわけですが、大衆というのは移り気でいい加減で、全然計算できません。

 

今回の選挙でも「ガーシー」という人が当選してしまいました。

「ガーシー」を我々の意見を代表して国益を考えてくれる政治家として評価している人たちがいるとしたら、彼らに大変申し訳無いのですが、やはり僕が感じるのは、どんな投票行動をとるか分からない浮動票を毎回あてにするより、安定して票を集めてくれる特定の団体、というのは自民党などが長期的に権力を維持するには必須の存在なのでしょう。

 

そういう「特定の団体」としてまず「宗教団体」というのが大きな存在である、ということだと思います。

なんだか宗教と政治の問題って、それこそ日本だったら平城京から平安京に遷都した理由の一つの仏教寺院の力の台頭とか、ヨーロッパだと宗教戦争だとか、あそこまで大きな問題でなくても、未だに重要な話であり続けているんだな、と何となく感じますよね。

 

とにかく、ある特定の団体なのですから、その団体にとっての利益を誘導する主張をするに決まっています。巧みに気付かれないように、批判の的になりにくい形でおこなわれるのでしょう。

明らかに大きな問題を起こしそうでない限りは、政治勢力もある程度それを黙認し、ずっとそういう関係が維持されるのだと思います。

 

民主主義が今の形で実行され続け、大衆は永遠に大衆である限り、こういう特定の団体が政治に大きな力を及ぼす、という形はきっと変化しないと思われます。

つまりガーシーとか、れいわ新選組の候補者に投票する人を相手にするより、付かず離れずの距離でまともに対話できる宗教団体とお付き合いするほうがまし、ということでしょう。

 

 

今回明らかになった自民党と宗教団体との関係を見て、コロナ、ウクライナーロシア戦争が明らかにした資本主義の限界とともに、民主主義の限界ということすら感じます。

今回、おそらく安倍元首相の死去に対しての同情票という面もあって自民党が大勝しましたが、日本のためにそれは本当によかったのか、疑問が個人的には残ります。

 

安倍さんは偉大でしたが、アベノミクスの副作用の部分が次第に明らかになってきていて、むしろ日本の経済の足腰が弱まってきていることが表面化してきました。

それのみならず、中国の脅威をはじめ、世界の情勢が刻一刻と変化している今、増税くらいしか実行しようとする気のない「決められない大将」を戴いていていいのでしょうか。

 

 

安倍さんの死を悼むあまり、日本にとって逆風となる選択を日本国民がすることは、安倍さんも望まないと思います。



 

安倍さん、安らかにお眠り下さい