ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

SNSでの麻酔科ヘイト

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

よくTwitterみていると、「麻酔科ヘイト投稿」を目にします。

 

 

 

 

大体いつもパターンは似ていて、麻酔科が外科側の事情も考慮せず頭ごなしに文句を言ってくるとか、態度が高圧的だとか、麻酔を断ってきてすごく困るだとか、そういうやつです。

 

何十年も麻酔の現場で働いてきたので、どういった状況の話なのかは大体わかります。麻酔科医にもいろいろいて、中には外科医を困らせたら嬉しい、みたいな人がいるのも確かで、そこまでいかなくても外科医には外科医の事情があるのに、それを全く歩み寄って理解しようとしない人は結構います。

 

しかし、逆にいうと、外科医も麻酔科のことを全く理解しようとしない人がいるのも確かです。あちらからすると、麻酔科医って何を考えてやっているのか分からない部分もあるでしょうし、何も起きない症例ばかり麻酔をしているのをみると何も考えずルーチンのことをやっているだけじゃないのか?と思うこともあるでしょう。

 

当然全くそんなことはなくて、何も起きない症例でも麻酔科はいろいろと考えた上でやっていることもあります。診療上のことだけではなく、ややこしい人員配置の問題などで、いろいろな方面に配慮してやりくりしている、というようなこともありますが、いちいちそれを他の科の医者に言ったりしません。

捻れば水がでてくる水道のような、インフラみたいになる必要がある、と思っている麻酔科医は多いです。

 

しかし、子供じみた態度をとる麻酔科医が一部いると、そういう人はすべての外科系診療科から「見える」ので、外科系すべてから文句が出るわけです。

外科系の科で、一人変な人がいたとしても、直接日常的に関連する科はそんなに多くなかったりするので、病院全体からは「見えない」んですよね。

この非対称性こそが、よく目にするTwitterでの麻酔科ヘイトの根本原因なんじゃないかと思っています。

 

変な奴がいれば、麻酔科の中でそいつに態度を改めさせればいいじゃないか、という意見もあるでしょうが、その変な奴が部長だったりするので簡単じゃありません。

そもそも医者って人の言うことを聞かないし、基本一人でやる仕事だったりするので、相当な上下関係でもないと、「社会人としての態度」的なことで文句を言いにくい。

あと、はじめにも言いましたが、麻酔側の事情をそもそも外科側が全く分かっていない部分などもあるので、完全に麻酔側が悪いということも実はまた少なかったりもします。

 

麻酔科医が分かっておかなければならないのは、外科の先生も単なる労働者であり、それがなければ医局でゴロゴロしたりパワポでも作れていたかもしれないのに、お前の患者だと言われて渋々手術をやるハメになった、というようなケースがたくさんあるということです。

一生懸命オペを楽しそうにやっている姿をみると、なんだかこいつの楽しみのために俺が辛い思いをしているんだ、という気になったりしますが、それは多くの場合勘違いです。手術をすると外科医はアドレナリンがでるので、楽しくやっているように見えるだけです。

 

外科医に分かっていてほしいのは、一部の態度が子供じみている麻酔科医を全体化して考えないてほしい、ということです。麻酔の変なやつは、どうしても目立ってしまうだけだ、と認識してほしいです。自分の科にも変なやつはいるでしょうが、他科と大事なやりとりする際にそんな奴できるだけ出さないでしょう?

麻酔科はそれが難しいんですよ。

 

もっというと、外科医も麻酔科医も、病院という事業所で、院長の指揮のもと自分に与えられた仕事をこなしている労働者に過ぎません。

他の人より自分の守備範囲は広いんだとか責任が重いんだとか思ったところで、全体からみれば外の人と大して変わりません。

そういう人間同士が、リアルでなくても、SNSで俺はちゃんとしているお前らは駄目だ、いやそんなことはないお前が分かってない、とか喧嘩しあっても全く何をやっているのかわかりません。

 

どこかの会社で、庶務の田中さんと総務の山本さんがお互い態度が悪いといって喧嘩しています、と聞いたらどう思いますか?