ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

参院選へ医クラのあの人が出馬

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

今年7月10日投開票の参議院選挙ですが、上松正和さんという方が出馬するそうです。

 

 

この人はいわゆるツイッターでも名の知れた、いわゆる医クラの一人で、いろいろと話題になることもあった先生です。

「サギプロ」という、詐欺医療を告発する活動をやっておられるようです。

サギプロ | 詐欺医療から人々を守るプロジェクト

"コロナワクチン後遺症"についてもいろいろ意見がおありで、それに関して以前直接Twitterでやり取りをしたこともあります。

 

 

まぁあまり意見は合わないんですが、「詐欺医療」(言い方はいろいろと意見あると思いますが)を問題視するという部分は一致します。

 

とはいっても僕は彼らのように、一般の人たちが騙されるのを防ぎたい!と考え行動するような殊勝な人間ではなくて、単に医者という自分のポジションからみて「詐欺医療」がとても困るという意見なんですね。

 

「プロフェッショナリズム」という言葉があります。

www.cokermarin.com

上のエントリーにも書いてあるんですが、要するにその分野のプロとして、その専門を標して働く限り、一人ひとりが分野全体にも責任を負うんだ、ということです。そしてその分野全体への国民の信頼は、そういった小さい積み重ねの上に成り立っているんだということでもあります。

 

分かりやすく言うと、病院に行って検査しますと言われ、採血で痛い注射をされてもそれは"仕方ないこと"とみんな理解してくれますよね。それは我々は痛い事をするが、ある程度訓練された人間が、必要最低限の侵襲でやってくれているはずだ、という暗黙の前提が実はあるはずです。

若い女性でも必要とあれば服をめくって聴診をすることもあります。それも"ちゃんと診てもらうためには仕方ないことなんだ"という理解が前提としてあるんですよね。

お互いあまり意識することはないと思いますが。

 

これまでの積み重ねで、日本では国民の中にいまだ「医療」というふわっとした全体に対する信頼があり、「医療っぽいこと」に対して割とお金がすぐに払われる素地があります。

逆に言うと、白い壁のアルコールの匂いのする空間で、白衣を着た人がなにかそれっぽいことを言っていたら、なんとなく信用してしまうわけです。

ここがポイントです。

 

それが実は詐欺医療だった場合、患者さんはコストに対して大した利益を得られず、下手したら被害を受けたりするわけですが、それって「医療に対する信用を利用されて、さらには医療に対する信用を毀損された」ということになります。

 

我々まっとうな、そして儲からなくてつまらない医療を提供している側からすると二重の意味で問題なわけで、あちらがうまく法規制をくぐり抜けてやり続けてくる限り、僕はやはり我々の側からの「サギプロ」のような活動はあってもいいんじゃないかと思います。

それには「サギプロ」が今よりもっと広く国民の信用を得ないといけないですですけど。

 

ただ、上松さんとのやり取りにもあるように、詐欺クリニックなどに実際に通ってしまうような人って、何をどうやっても騙されてしまうタイプの人たちで、一定数そういう人がいるのは仕方ないと個人的には思う部分もあります。

サギプロなどの活動や、SNSでの医師の発信などで、実際にそういう被害は減らすことはできるのでしょうか。