ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

岸田さんの「新しい資本主義」の何が本当に問題なのか

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です

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岸田さんになってから、政治と株式市場の相性が悪くなっています。

口を開けば岸田さんは増税の話ばかりする印象があるし、「分配政策」も結局は社会主義的な政策で国の経済成長を阻害するようにしか思えません。

なので当然のように株価も低迷しています。

 

なぜこんなに岸田首相が増税の話ばかりするのかって、まず岸田さんは財務省と近いというか、財務省のそのものといっていい人なんですよね。

 

財務省もアホではないので、税金を増やせ増やせというのにも理由があります。

日本国は、実はこのままでは国家財政が破綻するのはほぼ確実であって、それを防いでいるのはいろいろな「前提」からくる円に対する信用であり、そのためには税金を負担する余裕が実は国民にはまだまだある、と世界にアピールする必要があると考えているのです。

 

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↓こんなチート状態、本来ありえないわけです。つまり、そのうち円安になって解消されるはずです。

 

 

実は、もう国民はこれ以上の税負担は難しいので、これからインフレがきたらもう本当に詰んでしまうんじゃなかと僕は思っているのですが、とにかく岸田さんはこの状況で「新しい資本主義」ということを言い始めました。

世界にすら発信していて、これは本気なんだな...と思いました。

www3.nhk.or.jp

"新しい資本主義"の考え方の根本は、資本主義が行き過ぎて、企業や資本家が富を独占し、それが労働者に回らないのがいけない、日本の賃金の低迷もそれが原因である、それを是正したらまた経済成長に結びつくのだ、というものだと思います。

 

確かに、資本主義は素晴らしい仕組みでも、一番の問題は発展し続けると資本家ばかりに富が寄っていき、だんだん労働者側の購買力が減っていき、結局資本主義社会全体が沈んでいく可能性がある、ということでしょう。それを政治の力で規制する、と。

 

これまではグローバル化で新しい市場がどんどん開拓されてきたから問題なかったが、もうそれも先が見えてきて、資本主義そのものをバージョンアップしないといけないのではないか?という考えは分からないではないです。

もしかしたら100年後は「新しい資本主義」的な考え方が世界的に受け入れられている可能性もあります。

 

しかし、一番の問題は、この「新しい資本主義」的なやり方は、ともすると社会主義的な政策になりうるので、すでに破綻して駄目なやり方であることが確定している制度に逆戻りする可能性があるということです。

そして、社会主義的なことをやる国には世界から資金が入ってこなくなります。世界の投資資金が一番嫌うのは、(今の)資本主義成長に邪魔になるような考え方です。

日本企業は何もやれなくなってしまいます。新興国もどんどん出てきて、日本に投資する必要性などそもそもなくなってきているので、日本経済は加速度をつけて落ち込んでいくかもしれません

 

壮大な社会実験であり、それをこの大国の日本で、しかも財政金融政策の失敗がほぼ許されない財政状態の国で、そんな「実験」をやっていいのか?という最大の問題があるかと思います。これが岸田さんの「新しい資本主義」の本当の問題点だと思います。僕は個人的には、「新しい資本主義」などという"高尚"なことを扱う余裕は日本にはもうないので、"古い"資本主義をもっと伸ばしていくべきじゃないかと思いますけどね。

 

岸田さんは、見ているだけでとても総理大臣になりかった人なんだなぁ、と思うのですが、意外と権力を乱用するタイプなんじゃないでしょうか。

「聞く力」とか自分で言っちゃう人は、一番人の話を聞かないんだと思うんですよ。

 

企業は努力を続けて、EPSはどんどん上がって、さすが日本はすごいなぁ、と四季報見ていても思うのですが、政治が足を引っ張ります。トヨタもアメリカに上場していたら、時価総額今の5倍くらいはあったんじゃないでしょうか。

 

自民一党独裁で、ろくな政治家が育たなかった結果、今の激動の時代にこんな人間をリーダーにしてしまった日本、辛いなぁ、と思います。