ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

今の日本の最大の問題は、コロナ変異株ではない

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

このところずっと、日本においては暗いニュースが続いています。

岸田政権になってから、特にひどい感じもあって、コロナ感染者数がこれだけ少ないのに、株も下がって、全然明るい雰囲気も出てきません。

 

現状でている世界情勢からいって、まだ明らかになっていないだけで日本はしばらく経済的にはしんどい時期が続きそうです。

色々と話はありますが、これ↓が一番重要な問題ではないかと思っています。

www.nikkei.com

 

「円」の実力低下です。

ドル/円などはよく話題になって、さしあたって今はドル高円安だということですが、まぁ上がったり下がったりするものなので、またそのうち円高になるだろうと思っている人が多いかもしれません。

 

しかし、二国間の為替レートだけ見ていても、その通貨の本質的な強さというのはわかりません。それを示すのが「実効外国為替レート」です。

上の記事では、それでいう円の価値が1970年位の頃と同じくらいに低下している、というのです。

 

しっかり説明すると難しいのですが、簡単にいうと、通貨が弱くなると、外国からモノを買うときに「高いなぁ」と感じるということです。

モノ自体がイノベーションで安くなっていくとわかりにくいのですが、iPhoneがすごく高くなったように感じることの一部の理由は、そういうことなんですね。

 

原材料が高くなっても、安いものしか売れないとなると、結局ビジネスを成立させるためには人件費を安くするしかないわけで、日本人の給料が安いままなのは、円が弱くなっていることも当然原因の一つです。

 

コロナと、中国とアメリカの対立によるサプライチェーンの混乱により、高度な効率化によって安く抑えられてきた原材料や運搬費が高くなっています。色々な理由がありますが、原油も高くなっている。

原材料の高騰で、利ざやもどんどん薄くなれば、経済回復が遅れるのは当然だと思われます。

 

なぜ円が安くなっているのか?ということですが、これは2つの原因があって、すなわち「高齢化」と「変わらない政治」ですね。

高齢化によって、国全体の生産性が落ちています。高齢者はたくさんお金があっても買うものがないので使わないし、増やす必要もないので投資にも回さない。すなわち国の経済的価値が上がらないわけです。

政治も長らく自民党で、国民もとりあえず自民党が安心ということで投票してしまうので、そういう構造が温存されてしまう。

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国は大量の借金をしているわけですが、国内にある金融資産と相殺すれば、まだ余裕があることになっている。とりあえず足りない分は国債を発行して円を刷り続ければなんとかなるという理屈になります。それによっても、当然円の価値は落ちます。

 

このあたりはリフレ派、MMT理論などの話があって難しいのですが、普通に考えて、国がお金(円)を刷り続けて、それを誰かが他のお金と交換してくれて、原材料や原油を買えて、国民が生活できるということの基本には、円に価値があると多くの人類が思っているということがあります。

 

「多くの人類がそう思っている」というふわっとしたこと、しかしこれが重要で、それを担保しているのは、「国民の金融資産を本気を出せば日本政府が税金としてぶん取れる」というような、ありえない前提だったりします。

普通は、そうなる前の段階で、ひそかに「円の価値、まじで危なくないか?」と誰かが思い始め、円で何も買えなくなっていくはずです。

 

僕は今の円の実効為替レートの低下をとても不安に感じています。

上で書いた円の信任への疑いの、入り口に立っているんじゃないか?ということです。ただでさえ原油や海運運賃、資源の値段も上がっている中で、まさにダブルパンチで効いてくると思います。

 

政府が必死で増税増税といっているのは、一つの理由としてこういうこともあるんじゃないかと思っています。つまり、いくらでも日本政府は国民から税をとれるんです、と示さなければ、世界から「円」が見放されてしまうということです。

 

自民党は移民政策もはじめましたが、高齢者がずっと日本で増え続ける以上、少しでも生産性を上げるためには仕方ない面もあります。

岸田さん、頓珍漢な政策ばかりのように見えますが、実はそう考えると、こうやらざるを得ない状況に追い込まれているということなのかもしれません。

 

僕が客観的に思うに、円は今でも過大評価だし、高齢者問題はシルバーデモクラシーというものがある以上解決はむずかしい。

強いリーダーシップをもった優秀な政治家がでてくる素地は、国民に自民党信仰がある中ではないでしょう。

 

かといって、来年すぐに円が暴落→ハイパーインフレになるかといったら、そうではないです。アメリカとの関係、他の国も事情のあるので、いつになるかはわかりません。

なので、それまでになんとか大混乱の時代になっても乗り切れる資産を自分で作り上げておくしかないな、と思う次第です。

 

コロナ変異株も大変な問題で、第6波がまたすごいことになるかもしれません。しかし、コロナはいくら大変でも、そのうち確実に収束します。円の暴落に比べたら、実は全然大したことではないのです。