ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

コロナワクチンをめぐるいろんな話。なぜ日本人はこんなにワクチン怖がるのか。

こんにちは、ロスジェネ勤務医(@losgenedoctor)です。

 

新型コロナのワクチン接種もいよいよ現実的になってきましたが、個人的には思っていたより「打ちたくない」という人が多くて驚いています。

 

医局で人が話しているのを聞いていても、医者同士ですら「怖いね」とか話していています。

医療関係の人以外の知り合いに話を聞いてみたら、半分以上は打ちたがってない印象です。

 

僕は我先にとみんな打ちたがると思ったんですけどね。コロナあんなにみんな怖がっていたのに...

 

しかしなぜみんなこんなに嫌がるのか。やっぱりよく分からないものを注射される、という恐怖感なんでしょうね。

日本人はみんな子供の頃から原爆の後遺症の話イタイイタイ病、四日市ぜんそく、水俣病などの公害の勉強をかなりしつこくやられて、何か目に見えないものが後から障害を起こすことへの恐怖感が植え付けられていると思うんですよね。

原爆を落とされて、有害物質撒き散らしながら高度経済成長、確かにそんな国はない。

 

教育がどちらかというと文系に寄っている、という面もありそうです。いろいろ勉強はして、知識は詰め込まれているけど、理系的・科学的な考え方を教えられるバランスが悪いとか。そういう問題点はあちこちで他のことでも言われている気がします。

 

よく、「ワクチンを一般の人が怖がるのはしょうがない。医療者はそれをバカにするのではなく、分かるように説明していく必要がある」と言う人がいますが、個人的にはそんなことしても無理だと思います。

分かりやすい説明なんて、いくらでもアクセスできる場所に転がっていますし、そもそも分かる気なんてみんな無いんですよ。

医者ですらしっかりと勉強している人はあまりみません。

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ところで、コロナのワクチンは「安全」なのでしょうか。まともな医療者なら安全です、とは断言しないでしょう。必要であったとしても、別に体に良いことをするわけではないのです。その点、麻酔と似てますよね。絶対安全とは言い切れない。

 

筋肉に注射する、というリスクだってあります。それだけでも局所でいろんな反応が起きます。

本来コロナの抗原・抗体の反応が起きる場所でない場所で抗体を作らせる。それだって、よく考えたら気持ち悪いといえば気持ち悪い。

翻訳の活性だって人によってぜんぜん違うわけだから、何億人もの人に反応を起こさせたら驚くような悪い結果が起こることはありえるでしょう。

 

その辺りの仕組みが全部分かっているのか、と言われたら全部は分かっていないはずです。1億人に一人くらいワクチンmRNAの情報の一部が核に入り込む人がいます、と何年かして報告されても驚きません。医学というのはそんなものです。

 

しかし、医療による人体への介入というのは往々にして悪いことも確率的には含んでいます。それでもその悪い影響が少なければ許容される。

今医療の世界で行われていることで、実は仕組みが分かっていないこともたくさんあります。しかし歴史的に大量に行われていて、リスクが無視される程度だからそのまま行われているわけです。

 

コロナのワクチンに関しては、画期的な効果の割にはかなり仕組みが明らかになっていると、個人的には思います。

少なくとも、「大体のヒトに影響が少ないレベルまで細菌の毒性を弱めたものを打って抗体を作らせるワクチン」(みんな打っています)よりは、安全だと思います。

治験もしっかりとなされていますし、世界中の監視の目があるので製薬会社もつまらない誤魔化しをするインセンティブも無い

そういう文脈を全部考え合わせると、個人的には今回のコロナのワクチンは全く悩まず打とうと思いました。

免疫学者ではないので、敢えて個人的には、という表現を使わせていただきますが。

 

どちらにしても、これから暖かくなって自然とコロナ感染者が減り、「ワクチンを積極的に受けようと思う人+特に何も考えてない人」が打って50%くらいになれば終息するんではないかと思います。法律で強制的に打たせると決めてしまわない限り、しょうがない。

 

でもワクチン接種証明の有無で受けられるサービスが変わり、ワクチンを打っていない人に対する差別だ!みたいな議論がそのうち起きそうですね。