ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

本当に医療業界の人件費率が高いのかどうか調べてみた

こんにちは、コッカーマリン(@losgenedoctor)です。

 

すこし上向いてきているところがあるとはいえ、コロナで医療機関はどこも経営が軒並みやられています。

リハビリ施設や療養型との抱き合わせの法人なら、影響の少ない施設からの穴埋めでなんとかするんでしょうが、それでも先行きがみえなければリストラというのは真剣に検討されているでしょう。

 

そういえば事務の人から以前ちらっと「病院は人件費率が高いから...」という話を聞いたことがあります。

確かに見渡せば沢山人働いているしそうだろう、それだけにリストラの効果って大きいんだろうなとかも思いました。

 

実際に他の業種とくらべて人件費率(人件費/売上%)ってどうなんでしょうか。

ここに書いてあったデータを一部書き出してみます。 

blog.sr-inada.jp

 飲食業

ラーメン屋さん:35.2%

居酒屋:36.2%

食堂・レストラン:33.3%

キャバクラ:56.4%

旅館・ホテル:30.6%

 

サービス業

美容室:54.3%

広告業:20.4%

建設設計:42.8%

受注開発ソフトウェア企業:45.6%

訪問介護・ヘルパー:65.5%

人材派遣業:62.4%

病院(入院施設有り):49.6%

病院(入院施設無し):51.9%

 

小売業

コンビニエンスストア:11.1%

調剤薬局:21.2%

ガソリンスタンド:7.7%

家電小売業:13.9%

アパレル:20.3%

魚屋:19.1%

 

これみてたら、確かに病院は全部の業種の中では人件費率高い方ですが、サービス業はだいたい高いですよね。

別に医療業界が特殊というわけじゃないではないか...

そもそもサービス業というのは知識やノウハウが商品のために、原価がなく、その分人件費率としては上がってしまうのです。

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小売業は人件費率低めですが、これは少し考えたら分かりますが物を仕入れて在庫があるタイプのビジネスモデルなので、売上から計算した人件費率が低くなるのは当たり前ですよね。

 

となると「人件費率」というのを比較してもあんまり意味が無さそうです。

 

 むしろ労働分配率(企業において生産された付加価値全体のうちの、どれだけが労働者に還元されているかを示す割合)の方が大事ではないか?と考えました。

病院でいう付加価値額 = 医業収益 -(経費 + 医療材料費 + 給食材料費 + 減価償却費)です。

これに占める人件費率の割合が病院で言う労働分配率ということになりますね。

それがべらぼうに高いのかも知れない。調べると。

 

飲食業

ラーメン屋さん:52.2%

居酒屋:52.5%

食堂・レストラン:55.6%

キャバクラ:62.8%

旅館・ホテル:39.8%

 

サービス業

美容室:57.1%

広告業:55.9%

建設設計:66.4%

受注開発ソフトウェア企業:69.8%

訪問介護・ヘルパー:71.6%

人材派遣業:82.5%

病院(入院施設有り):63.7%

病院(入院施設無し):65.0%

 

小売業

コンビニエンスストア:40.2%

調剤薬局:64.4%

ガソリンスタンド:52.3%

家電小売業:56.2%

アパレル:44.3%

魚屋:51.7%

 

いや、別に病院っ高くないですよね。

もしその病院の労働分配率が高すぎると思うなら、多分利益が少ないからじゃないでしょうか。

そしてそれを考えるのは労働者の仕事ではないです。

 

今後は「病院は人件費が高い業界だから...」と言われたら「いえ、労働分配率ベースで言うと全く適正です」と答えようと思いました。