ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

外勤がなくなった大学病院のお医者さんのキャッシュフロー

こんにちは、コッカーマリン(@losgenedoctor)です。

 

昨日のエントリーでも少し触れましたが、大学病院の外勤禁止の流れは潜在的にすごく大きな話になりそうです。

 

たとえば、本給1000万+外勤先から500万/年の先生の場合、年収1500万ですから手取り1000万として月83万円の資金増があるとします。

住宅ローンや家賃などの固定費、海外旅行などの大きなキャッシュアウトも計算にいれたら、肌感覚では月に60万円は少なくとも使っている人が多いような気がします。

 

まぁ月に60万円使っていたとしても、年間280万円貯金できる計算になりますが、そんなにみんな貯金できているでしょうか?

まぁできているとしましょう。

 

これが外勤がなくなり、年収が1000万になるとします。手取りが720万円になります。

すると月60万円の資金増にしかならなくなるわけで、同じように使っていたらもうトントンです。

 

もちろん消費は減らすでしょう。

飲み会もなくなるし、以前よりはみんな使わなくなっているはず。

しかし住宅ローン・通信費・公共料金など、どうしても必要な固定費が30万円あったら、増減できるキャシュは60-30=30万円に対してになります。

 

これを15万円に圧縮し続けるのはとても厳しい。

よくて20万円くらいにしかできないでしょう。

つまりキツキツでずっとやっても月に10万円しか貯金が貯まらない、ということになるのです。

 

10万円も貯まるんだからいいじゃないか、と感じる人もいるとは思いますが。

これを読んでいるのが大学病院の勤務医なら、正直こんなのやってられないと思うのではないでしょうか。

 

実際はこれより使っていて、もっとキャッシュフローがキツい人もいると思います。

外勤ありきで生活を組み立てている先生たちは内心かなりヤバいと思っているに違いありません。

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大学病院としては、医者のそんな事情知ったことではない。

1000万円もあげてるんだから、それで十分だろう、あとは知りませんと言うに違いない。

しかし医者は外勤からの収入を合計した年収がもらうべき給与だとみんな思っていて、それをベースにした生活を構築しているので、「とりあえず外勤禁止な」といきなり言われたら無茶苦茶困るわけです。

 

大学病院がそもそも十分な給料を全然医者に与えてこなかったのが悪いんですね。

それなのにこういうリスクのときにはしわ寄せを簡単に勤務している医者たちに押し付けてくる

 

大学病院側がそういうつもりなら、こっちも勝手にやってやる、と大学病院なんて離れる人もでてくるでしょう。

そもそも大学からの給料だけじゃやっていけない、という人もいるでしょうし、コロナのせいで自分が大学病院にわざわざいてまでやりたかった医療ができなくて辞めようという人もいるでしょう。

 

経営者側からしたら、とりあえず本音では職員のキャッシュフローのことなんてどうでもよくて、自分の病院にコロナの穢れを近づけたくないだけだと思うんですけど、外勤からの給与の話は彼らが思っている以上に医者達にとっては重要な話なんだと思います。

 

多少落ち着いたら、大学病院は外勤がなくなった医者の待遇をしっかりと考えないといけないでしょうね。

そんなカネどこにあるんだという気もしますが。

 

個人的にはそもそもコロナを怖がって、外勤をすべてバッサリとやめさせるようなやり方がまずかったと思いますけど。

あと、外勤先の病院などでもコロナでパニックになって、外勤を断ったりするやり方を不用意にやると、とても根深い不信感として残るので注意したほうがいいと思いますね。