ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

【人口減少】「民主主義」と「現代医療」の不都合な組み合わせ

こんにちは、コッカーマリンです。

 

人口減少が想定されたより早いペースで進んでいるようです。

www.nikkei.com

こういう話、いつだって厚生労働省の見通しより実際は悪いですね。

日本衰退本当に待ったなしです。90万人以下ですよ。

 

戦後の人口統計をみてみます。

www.e-stat.go.jp

出生数は敗戦直後1945-50年で250万人くらい(←これが団塊の世代)

団塊ジュニア世代の生まれた1970-1975年にもピークがあって200万人くらいで。

ロスジェネの我々の世代はイメージで言うとその少し下くらいの感じですから、同い年の人間は150-200万人くらいはいるんですよね。

 

それがほぼ半減です。

労働してお金を稼ぎ、税金を収めてくれて消費もしてくれる若い人がこれだけ加速度的に減っているんです。

若い人が減ったら出生率が下がらなかったとしてもさらに生まれる命が減るわけで、人口減少の回転が始まったら加速度がつくのは想像がつきます。

 

若い人が減っていくのをこのままほっておいて良いわけはありません。

せめて加速度を緩める努力はするべきだと思います。

 

 

この国を持続可能なものにするには、まず子供を生むことのインセンティブを上げる必要がやはり必要だと思います。

子供を産んだ女性に無税で100万円をプレゼントする

それ程度では子供を育てるコストに合わない、という賢い人の意見はあると思います。

しかし宝くじを買ってしまうような経済合理性を欠いた行動をするのがほとんどの人間なので、これを逆に利用したらいいんです。

からなず少なくはない効果があると思います。

100万人生まれてもコストは1兆円。

国民医療費が45兆円ですから全然大したこと無い。

 

こういうことを言うとDQNが子供たくさん生んでウハウハするのは許せない、そんな子供が増えても治安が悪くなるだけだ、という意見がありますが、戦後のあれだけ貧しいなか生まれた子どもたちはみんな犯罪者になったのですか?と返したいです。

戦後は今より治安悪かったと思いますが、それは時代の問題でしょう。人間の質が悪かったわけではない。

たとえ多少治安が悪くなっても、老人や不法労働外国人ばかりの国になるよりましだと僕は思います。

 

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子供を増やす努力をするのと同時に、高齢者にかかるお金(主に医療費を含めた社会保障費)を削減するのも絶対に必要です。

今の国民医療保険の仕組みでは高齢者ほど負担が少なくなっています。

これはもう完全に持続不可能な仕組みだと思います。

 

なぜ昔できていたことが今できないか?

まず、医療や保健衛生の向上で人が死ににくくなり高齢者が増え、医療サービスを受ける人が増えた。

長生きできる分だけたくさん働けるようになったり生産性が上がったわけではないので、医療費に回せるお金が国にすごく増えたわけではない。

総医療費を医療サービスを受ける人数で割ったのが一人にかけられる医療費です。

それをほぼ制限なく高齢者が昔と同じように利用しようとしたら足りなくなるのは当たり前ですよね。

つまり高齢者が医療を受けることに制限をかけないと立ち行かない、ということです。

 

しかも現代医療は高度に進化し、さらに安全や効果に非常に高い(高すぎる)ハードルが設けられているために、ほぼ昔と同じことをしようとしても医療費は段違いに高くなっています(これは司法が相当悪さをしたと思っています)。

 

これまでは若者から搾取することでなんとかごまかしていたけど、最近の世論をみていると、それがいよいよ限界に達してきたということなんじゃないでしょうか。

 

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しかしです。

民主主義なのでいくら年をとって働けなくなってコストがかかるだけの人間になっても(ひどい言い方ですが経済的に見たら、という話ですよ)一人一票権利があって、高齢者にかかるコストを削ろうという話は構造的に進むわけはないわけです。

医療の自己負担上げましょう、年金減らしましょう、という政策を掲げる候補者は当選しないからです。

 

おまけに高齢者は暇なので選挙に行くし、判断力が鈍いので誰かの言うことに従ってしまうし、そもそも数が多い。

 

 

つまりこういうことなんです。

僕なんかが言わなくてもみんな分かっていそうですが。

現代医療を民主主義社会にぶつけたら核融合を起こして国が滅ぶ、ということです。

非常に不都合な仕組みだな、と思います。

 

このドグマを解決する先例なり、新しい考え方や技術が生まれることはあるんでしょうか。