ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

市中薬局でロキソニンが買えませんでした。一方、無診察で処方箋を出す医者に同情が集まることに関して。。

こんにちは、コッカーマリンです。

 

先日近くの薬局に花粉症の薬を買いに行ったついでに常備薬のロキソニンを買おうとしたのですが、薬剤師が今いないから買えませんと言われたんですね。

同じことは以前にも経験したことがあって、なんだかなーと思ってしまいました。

 

僕医者なんですけどね。。

医師免許は日本国内ならいつでもどこでも医師免許なんですから、それさえ証明できれば売ってもらってもいいと思うんですが。

 

もちろん「俺医者なんだから売れや」とすごんだわけではないですよ、、

社会にはルールというやつがありますから。

 

ロキソニンって医療関係者なら常備薬分も自分の病院でなにか適当に病名つけてもらって出してもらってる人も多いと思うのですが、めんどくさいのとなんとなく医療費の不正な無駄遣いに加担している気もするので市中で高くても買おうと思うわけですよ

 

ネットで簡単に買えるみたいですけどね。

今度からネットで買うことにします。

news.yahoo.co.jp

 

ロキソニンはそれなりにキツい薬だという一般的な認識はあるでしょうし、長らく処方薬だったので市中で売るのにそれなりのハードルを設けるのはわかります。

 

しかしなんとなく、薬剤師いなくても売れるようになるには相当長い時間がかかりそうだなと思います。

薬剤師の世界の偉い人が反対するでしょうしね。

 

しかし、上のアマゾンで買うやつにしても、薬剤師がいる薬局で買うにしても、薬剤師による問診やら説明によって安全性がすごく高まることはないと思うんですよ。

でも薬剤師の側にしたら、「薬剤師がいないとロキソニン売れません」というルールがあるとすごくそこに雇用に関わるチャンスが生まれるわけですよね。

 

語弊があるかもしれないですが、これは「既得権益」そのものだと思います。

だから日本薬剤師会はクソだ〜、と言ってるのではないです。

薬剤師さんにしたら薬剤師さんの言い分があると思いますし、そもそも薬剤師さんがそういうルールを誘導したわけじゃないのかもしれません。

ロキソニンの添付文書にそう書いてあるから、というだけかもしれない。

 

僕が言いたいのは、結果として「既得権益」化しているこういうルールと言うか社会のコンセンサスみたいなのが世の中にはいっぱいあるよな、ということです。

 

麻酔は麻酔科医が一人しっかりついて管理するのが好ましい、というのもそういうことの一種でしょうか。

グラフトを採る専門の看護師だってアメリカにはいるわけで、手術をするのは医者でなくてはならない、ということすらも実は「現状日本ではみんながそう思っていて法律で規制されている」という前提に立っているからに過ぎないんですよね。

 

病気の診断すら実は医者がやらなくてもいいのたくさんありますよ。

こんなニュースがありました。

www.asahi.com

 

田舎の診療所の医者がインフルエンザになったので出てこれないんだけど、村民はおかまいなしにやってくるのでしょうがなく診てないのに処方箋書いたというやつです。

この診療所の所長は悪意ないだろうし、問題ないと判断してやったことでしょうけど、現状にあっていなくても法律は守らないといけません。

このニュースみて、「こんなので処分するなんておかしい」という意見を持っている医者も多いですが(僕もそう思いますよ、てか村民が悪い)、ちょっと考えてみてください。

 

この医師法の「診察しないで処方箋出すのはダメです」という決まりは医者の雇用を相当守ってるんだと思うんですよ。

あえて言うなら、既得権益ですよ。

慢性的な疾患に延々と出し続ける薬、出せるだけの量出さずにたまに処方箋出してもらいにクリニックに来てもらう、それだけでいちいち診察料もらえますからね。

なのでさきほどのニュース、開業医と勤務医では見え方ぜんぜん違うと思います。

 

若い医者ほど、「自分の給料は自分の(高い)能力に対して払われている」と思いがちです。

でも実際は医者の給料が高いのは、必要数(患者)に対して医者が少ないからにほかならないんですね。

医者しかできないとされている仕事ってたくさんあって、非常に高い参入障壁が存在します。厚生労働省様の作った高い壁に僕らは守られているんですよ。

 

医者の数も増加傾向にありますが、医者じゃないとしてはならない仕事が減った場合、じわじわと医者の給料は下がっていくのは間違いありません。

僕が医療費を削減する役目ならこのへんは目をつけたいところですね。

 

なので単なる労働者に過ぎないほとんどの医者は参入障壁を少しでも下げるような話に敏感にならないといけないと思うんですが、そういうこという人はあんまりいません。

 

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どっちかというと参入障壁高すぎて仕事が多すぎるから、医者の仕事を外の職種へ開放しよう、という声の方が現状大きいように見えますね。

給料減ってもいいから、とにかく当直減らしてほしい。。。ということかな。

 

麻酔科の場合、麻酔科の医者が手術に一人ついてないといけないというタテマエがあるりますが、そういう法律があるわけではなくて、単なる自主規制なわけです。

なので「参入障壁」が実はあまり高くない。

 

麻酔看護師というのがいったん本格的に動き出したら、今みんなが思っているよりドラスティックな雇用情勢の変化が起きる可能性があると僕は思っているので、麻酔科の医者の権益を守るべきこの世界のお偉いさんたちは今のうちにいろいろと手を打たないといけないと思うんですが、現状「フリー麻酔科医叩き」の方に全力を傾けておられるようで。。