こんにちは、コッカーマリンです。
昔の職場の人事の話を風のうわさみたいなので聞き及ぶことがあります。
昔、臨床でむちゃくちゃかっこよかった人が管理者の立場になってひどく悪評をたてられるようになったり、
なんか怪しい人だなあ、みたいに思われていた人が人を集めてくる中心的人物になっていたり、
人の評価というか、存在価値というのは何年かくらいのスパンで容易に変わってしまうものです。
むちゃくちゃ素晴らしい能力と素晴らしい人格が同居してたらいいんでしょうが、ほとんどの人はそんなことありません。
ある時期に同居していたとしても、何年もは続かない。
人はいるべき場所にいるべき立場でいないと幸せにはなれないんでしょう。
なかなかうまくいっているひと、見たことないですけど。
麻酔科医としておじさんになったら何をもとめられるのでしょうか。
人がとれないラインとったりエピを入れてあげたり、変わった症例の相談にのるとか、そういうことはあると思います。
とりあえず外科系医師から痛みとか麻酔のことで相談されたときに、「まぁまぁ妥当なこと」をいつも答えられるようにしないと駄目ですよね。
そのためには他科の医者が考えていることとか、だいたい理解しておかないといけない。
それって結構難しいんですけどね。
あとは10年も20年も麻酔科医やってたら、麻酔を教えた外科系医師がそれなりになって自分の病院に来たりすることがあります。
いくら今は立派になっていても、昔挿管教えた/教えられた仲というのはなかなかの固定された上下関係です。
そういう関係をうまく利用すると、仕事がやりやすくなったりします。
若い麻酔科医で、麻酔をする視点でしか症例を見られない人がいます。
僕もそうでした。
なんかややこしい患者つれてきたなぁとか、なんでおんなじような手術なのにこんなに時間がかかるんだろうか。。とか。
しかしこの歳になると、その手術にかける外科系医師の思いとかを考えるようになりました。
何年も手術に踏み切れなかった人がとうとう手術にのぞむことになった、とか前この手術をやったときに致命的なミスをして今日は絶対その失敗をしたたくないと思っているとか、いちいち言わないけど彼らはいろいろ考えています。
この手術で名前を売りたいと密かに思っているので珍しめのやり方でやってみようとか、そういうのもあると思います。
そのあたりの機微というか、普段のその外科医の言動から推測してある程度理解しておくこと、それはおじさん麻酔科医として求められることかもしれません。