ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

プロ意識というもの

こんにちは、コッカーマリンです。

 

うちの看護師が待遇改善を要求している、という話を以前書きました。

 少人数で回しているのでオンコールが多すぎて嫌だというのです。

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このエントリーのポイントは、

「労働者というのは感謝をしてもらうだけで喜ぶ生き物なので、うまくそれを利用しない手はない」

ということだったのですが、事態は思ってもいない方向にすすんでいます。

 

僕が提案したのは

  • 病院としては大変な負担であるオンコールをやってもらって感謝していて、これからも続けてほしい(ということを伝える)
  • 呼び出しから病院到着の時間を今より時間がかかっても良い、と変更する
  • 休日に関しては緊急オペがめったに無いのでオンコール1人体制とする

ということでした。

 

年に一回あるかないか、なんですよ、日曜祝日の緊急オペ。ゆったり病院ですみません。

ただそんなことのためにいつも2人の人間がオンコールで縛られているのは明らかに医療資源の無駄遣いです。なので1人でOK、直接介助は別の外科医が出てくるか個別に看護師に呼び出しの電話をかけて来てもらう(その場合特別に呼び出し料支払う)などで対応しよう、と提案するつもりでした。

 

しかしどうやら

「1人でオンコールは怖いから嫌だ」

という声がでて、話が止まっているようなのです。

 

僕は今のこの病院で、そういうことを決められる立場にないので、それ以上踏み込んだ話を個別、あるいは看護師側の責任者にできないんですね。

しかし現場業務を実際に理解していて、問題点と合理的な解決策を見極められるのはおそらく自分しかいないと思うので、正直どうでもいいんですが先程の提案を病院のお偉い先生に出してみたわけです。

 

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それが何がどうなったのかよく分かりませんがややこしい話になってしまったようです。意思決定プロセスが明確でないとこういう事が起きるんですね。

 

この問題についてはもうどうでもいいとして、内心彼女たちのプロ意識ってなんなんだろう、と思いました。

 

麻酔科医をやっていれば、緊急オペを1人で麻酔することあります。

導入してみたらCVCIになって目の前で自分が患者をそれこそ「殺して」しまうかもしれないわけです。でも「自分は1人で麻酔怖いからしたくない」とは言えないわけです。

そこには資格を持った1人の医者としての社会的責任があるからですよね。

 

客観的に年に一度あるかないかの緊急オペの看護師のオンコールが、1人ではしたくありません

というのが一般的にコンセンサスが得られるとは思えません。

というか10人看護師がいればもう1人くらい電話すれば絶対対応してくれると思うので実際は1人で全部対応しないといけない可能性は皆無だと思うのですが、それなのに拒否する。

僕はそこにプロ意識が欠けている、と思わざるを得ないです。

 

看護師の資格があるといっても千差万別です。

中には認定看護師、特定行為研修を受けて毎日勉強し続けている人もいますが、100%安全で責任をとらなくてもいい立場でゆるく働きたいと思っている人も多いです。

 

守られた立場でずっと一労働者として働かせていると、人間というのはいくら資格があっても権利ばかりを意識するようになるのでしょう。

いくら職種が違うと言っても僕はそういう人たちにリスペクトの感情を持つことができません。