ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

アメリカの麻酔看護士

おはようございます、コッカーマリンです。

 

アメリカの看護師は日本の看護師とは大分違っていて、医者と看護師の間くらいの資格があったりします。

 

アメリカの看護師は

LPN(Licensed Practice Nurse)←准看護師

RN(Registererd Nurse)←看護師

APRN(Advanced Practice Registered Nurse)←高度実践看護師

に分かれています。

 

APRNは

NP(Nurse Practitioner)

CNS(Crinical Nurse Specialist)

CRNA(Certified Registered Nurse Anesthesist)

CNM(Certified Nurse Midwife)

などが含まれます。

日本にも6ヶ月の研修を受けて取得する「認定看護師」という制度があり、「医師の包括的指示のもと、特定行為を行う」看護師とされていますが、APRNはは4年間のDNPという博士課程を修了して州の試験に合格する必要があり、全然違います。

 

NPは自分で処方とか診断もしてしまう看護師(20万人・年収900万)

CNSは上級看護師ですが、日本の認定看護師に近いもの(7万人・年収900万)

CRNAは麻酔に特化した上級看護師でCNSよりもややなるのが難しい(5万人・年収1200万)

CNMは助産師ですね。

NPとCNSは課程の内容が違うそうです。専門もそれぞれ決まっています。

日本の認定看護師に近いのはCNSの方です。

 

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麻酔科の医者である僕からみると注目はCRNA(麻酔看護士)です。

先進国で麻酔看護師の制度がないのは日本くらいなんですね。どれだけの割合の手術麻酔が麻酔看護師によってなされ、どのくらいまで単独でやらせるのかは国によって違うようですが、基本的には今研修医にやらせているようなことを看護師にやらせている、という感じが多いようです。つまり2列を麻酔看護士に麻酔させて、導入と抜管を麻酔専門医が監督するといった感じでしょうか。

 

アメリカでは麻酔看護士が麻酔科医の指示のもと麻酔をおこなっているわけですが、3列まで並列して麻酔看護士を麻酔専門医が監督してよいと保険会社が認めている場合が多いようで、仮に12列の麻酔を12名の麻酔科医でやっていたのを、4人の麻酔科医と12人の麻酔看護士で運営すれば【8人の麻酔科医の給料ー12人の麻酔看護士の給料】分人件費を減らすことが可能になるというわけです。

また州によっては「麻酔科医の監督のもと」という要件がないところもあり、麻酔看護士がほぼ麻酔科医のように働いているところもあるようです。

ただし「麻酔看護士」

アメリカでも麻酔科医不足が深刻で、それを解決するためにでてきた制度です。

 

日本でも麻酔科医不足は医学界全体の問題になってきていて、社会的な要請も強く麻酔看護師育成に関してはかなりしっかりと制度がすすんで来ている印象があります。

 

アメリカのNPなどに比べると日本の認定看護師は修士課程にいっているわけではなく、ちょっと勉強した看護師、くらいなものなんですよね。

 

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一方日本版CRNAである周麻酔期看護師制度はしっかりと聖路加国際大学が中心となって進めていて、すでにいくつかの大学で修士課程の講座が開講されています。すでに17名の修了者がいるそうです。

 

今後周麻酔期看護師がどのように広がっていくのか、麻酔科医である僕にとってとても重要なことなので、しっかりみていきたいと思います。