こんにちは、コッカーマリンです。
Japanese Investorの秋号にROEとROICの話がのっていました。
ROE(株主資本利益率)とは、株主からの出資によって得た株主資本(自己資本)を事業に投じて、どれだけの利益を獲得したのかを示したものです。
2014年の伊藤レポートでは日本の企業のROEが低いことが問題にされました。
その後各社ROEの向上にはげみ、グローバルな投資家と対話する上での最低ラインと定義された8%を超え、東証全体で平均10.25%まで上昇しているそうです。
しかしROEは株主資本比率が低くて純資産総額の小さい企業や、もっぱら負債で事業資金を調達しているような企業も計算上高くなるので、ROEが高いからといって良い企業だとは言えないわけです。
そこでROEを以下のように分解します(デュポンシステムというそうです)。分母と分子がいくつか打ち消されれて当期純利益と株主資本だけが残るというわけです。
ROE=××
は「利益率」、は「回転率」、は「レバレッジ」となります。
ROEが高くても最後の「レバレッジ」だけが高いのならイマイチということです。
日本と欧米のROEをみてみると、中身はかなり違うことが分かります。
|
利益率 |
回転率 |
レバレッジ |
日本 |
3.8% |
0.96% |
2.51倍 |
米国 |
10.5% |
0.96% |
2.69倍 |
欧州 |
8.9% |
0.87% |
2.86倍 |
見て分かる通り日本の企業がROE低いのは利益率が低いことが原因なんですね。
利益率を上げるには売上の拡大を図り、利益を目減りさせる経費を削減することが求められます。
あとROICという指標が紹介されていました。
ROICとは経営者が各事業それぞれにおいて
ROIC=
を計算することによって分かります。投下資本というのはその事業の運転資金と固定資産(工場・建物・製造機械など)で計算します。
ROICとEPSの伸び率を合わせることでどの事業に経営資源を投入し、どの事業を縮小するべきかをはっきりできます。
ソニーの近年の好業績はROICを積極的に取り入れることで実現できたものだということです。
EPS伸び率やROE、ROA、ROICなどもファンダメンタル分析の際に重視していきたいですね。