ロスジェネ勤務医の資産形成ブログ

ロスジェネ世代麻酔科医師のコッカーマリンです。資産形成や日々のことについて感じたことを書き綴ります。

AIに麻酔科医の仕事は奪われるか?

こんにちは、コッカーマリンです。

 

世間ではAI、AIとよく話題になりますが、今の麻酔科医がやっているような仕事がAIにとってかわられることはあるんでしょうか。

 

麻酔は昔とくらべると、格段に安全になりました。昔といっても僕が知ってるくらいのは15年前くらいですが、それからでもずいぶんと簡単に安全になって、いろいろな経験からでてくる「さじ加減」みたいなのが活きてるくる局面は減ってきました。

 

血圧が下がったらAIが判断して勝手に血圧を上げる薬を入れる、出血で脱水傾向になったら術野画像と出血量とフロートラックセンサとかから判断して輸液を勝手に早めるとか、まぁ技術的には問題なくいけると思います。

 

挿管やらラインを入れる専門の人、なにか異常なことが起きていないか、起きそうになっていないかを見回る人っていうのまだまだ必要でしょう。挿管チューブがなにかの拍子に抜けてしまって、アラームが鳴りまくってバイタルがおかしくなった時に、「そういう時の為」に待機している人間がいなければバタバタして対応が遅れ、患者さん重大なダメージ残る可能性高いですからね。

やはりそういうのは麻酔科医の仕事として残るんだと思います。

 

ということは「麻酔科医の仕事はなくならないが、必要麻酔科医数は減っていく」ということでしょうか。

僕はそうは思いません。AIがでてきて仕事は楽に、そして安全になるかもしれませんが、必要な頭数はそんなに減らないと思います。

 

というのは、今現在日本で行われている麻酔だって、ちゃんとした麻酔科医が一人一列きっちり麻酔を全部やっている例なんて多分半分もないからです。指示された薬をAIのように鵜飼い麻酔の研修医が入れているだけです。

というかそもそもAI様に考えてもらうほど大した「判断」を普段やってないからですよね。だって研修医しか大半の時間そこにいないけどそんなに致命的な問題がしょっちゅうおきるわけじゃないんですから。

逆に言うと今でも麻酔科医がこれだけの数いらないかもしれないわけですよ。

なんでこんなに麻酔のために人的ソースが必要なのかといえば、端的にいうと

麻酔は麻酔科医がちゃんとみていないとやってはいけないということになっている

からだと思います。

麻酔科医が増えて、「麻酔は麻酔科医がする」というコンセンサスが世の中にこれだけ浸透してきた中で、例えば看護師に全部麻酔をさせていいとは日本でならないと思います。いくら認定看護師のシステムがかわったとしても、些細な事故があったら大いに責められるかもしれない業務を好んでやる人はいないでしょう。

 

そもそも当直とかオンコールがある以上、それを回せるだけの人間はやはり必要なわけなので、そういう意味でも麻酔科医が食いっぱぐれる心配はしなくていいでしょう。