こんにちは、コッカーマリンです。
さる7/31に日本看護協会から認定看護師制度の変更に関する案が発表されました。
認定看護師制度はより高い専門性をもった看護師を育成するという名目でこれまでもあったんですが、要は現行の制度は結局あまり現場で思ったより役にたっていないということで、制度を変更するということみたいです。
新制度の研修は「特定行為研修」が組み込まれたものになるというのが最大のポイントです。
特定行為とは医師の指示のもとで、ある程度侵襲的、診断能力が要求されることを看護師が自分の判断でおこなって良い診療行為のことで、厚生労働省から38項目示されています。
まぁ日本版のNP(Nurse Practitioner)のつもりなんだと思います。
アメリカとか医者みたいな看護師がいるんですよね。なるのも大変です給料もめっちゃ高い(笑)。
麻酔科界隈で話題になるのは挿管とか特定行為に含まれるのか、ということですが、いまのところ特定行為には含まれていません。麻酔科学会が反対したからです。ただ、看護協会とか他の学会の偉い教授とかが現場では抜管くらいやらせてるんやから認めたらええやん、って抵抗して、結局厚生労働省から
「医師の具体的指示下で診療の補助としてこれまで通り実施できる」
ただし「2行為の実施にあたっては適切な研修の受講が望まれる」
というよう分からん通達がでていて、とりあえずそこで止まっているようです。
"一番危ない特定行為"なのに特定行為研修受けなくてもやってOKということなんですね(爆笑)
これまでも認定看護師をもっていれば希望者は「特定行為研修」を受けることができたので、認定看護師だけのひとと特定行為研修も受けたひと、がいたわけですね。メリットもないのであまり特定行為研修受ける人いなかったみたいですけど。
今後は認定看護師なら全員特定行為もできるようになると理解していいと思います。
ちなみに特定行為研修以外の部分もいろいろ変更になっているようです。
いま認定看護師持っている人は今から特定行為研修をうければ新しい方の認定看護師になれるそうですが、もし特定行為研修を受けなくても2039年度までは認定看護師として更新できるそうです。あと20年くらいは認定看護師でもNew versionの認定看護師とOld versionの認定看護師が混在するということですね。
僕はこの動きは日本版給料安いNPもどきをたくさん作って在宅とかにどんどん治療の現場を移行させて医療費を削減しようという長期戦略なんじゃないかと思います。厚生労働省は挿管が危ないとかホントはどうでもいい。
医療費を削減したいという切なる思いはよく分かるんですが、認定看護師は悪手だと思います。だって認定看護師とっても給料も大して増えるわけじゃないからだれも取らないからです。研修自体も結構大変らしいですし、とったらとったで院内で仕事が増えてツライ。認定看護師を増やしたいならとりあえず今の認定看護師加算をもっと増やして、病院側に認定看護師をとらせるインセンティブが必要になります。とすると結局医療費が増えるので何をしているのか分かりませんよね。。